就労の基本原則・権利

2022年のILO総会で行われる労働安全衛生に関する審議の主要ポイントについてILO理事会が合意

記者発表 | 2022/03/18

 2019年の第108回ILO総会では、仕事の未来に向けた人間を中心に据えた取り組みの促進を約する「仕事の未来に向けたILO創設100周年記念宣言」が採択されましたが、同時に採択された決議は、安全で健康的な労働条件をILOの労働における基本的原則・権利の枠組みに加えることを求めています。

 ILO理事会はこの提案を受けて、既に2022年5~6月に開かれる第110回総会で、1998年に採択された「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」を改正して安全で健康的な労働条件をILOの労働における基本原則・権利の枠組みに加えることを決定していましたが、現在開かれている第344回理事会では、総会で検討される決議案の準備を事務局長に求める決定が採択されました。決議案は「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」の第2項を改正し、基本的原則・権利のリストに労働安全衛生を含むものとなる予定です。

 「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」は、1)結社の自由及び団体交渉権の効果的な承認、2)あらゆる形態の強制労働の禁止、3)児童労働の実効的な廃止、4)雇用及び職業における差別の排除といった、就労に係わる基本的な原則及び権利について、関連する条約の批准・未批准にかかわらず、加盟国にはその尊重、促進、実現の義務があると宣言しています。第110回総会で宣言の改正が採択された場合、全てのILO加盟国はこの四つの原則と同じように、同水準の公約をもって、安全で健康的な労働条件を尊重、促進、実現する義務を負うことになります。

 理事会では関連事項として、決議案で用いるこの基本原則の表現や基本条約と認められる労働安全衛生分野の条約の特定、加盟国が締結している貿易協定に対する法的影響の可能性といった問題に関する検討も行われました。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。