事務局長

第11代ILO事務局長にトーゴ出身のジルベール・F・ウングボIFAD総裁を選出

記者発表 | 2022/03/25
ジルベール・F・ウングボ第11代ILO事務局長

 第344回ILO理事会において2022年3月25日に実施された選挙の結果、第11代ILO事務局長としてトーゴ出身のジルベール・F・ウングボ現国際農業開発基金(IFAD)総裁が選出されました。初のアフリカ出身事務局長です。2008~12年にトーゴの首相も務めたウングボ次期事務局長は、2013~17年にILO事務局次長として現地業務・パートナーシップを担当しました。

 第11代事務局長選出直後の演説でウングボ次期事務局長は次のように述べました。「私のルーツはアフリカにありますが、視点はグローバルです。この残念な分断の時代において、統一を図る事務局長になるとの公約を固くするものであります。誰の事務局長にもならないと同時にみんなの事務局長になるよう努める所存です。世界中どの地域の出身の政府、使用者、労働者のどなたにおかれましても、この組織を構成する三者全ての見解を代表し、擁護する完全なる用意があることをお任せ頂けると思いますし、そうして頂きたく存じます。私どもILOを頼る方々の声を代弁することをお約束しましょう。私が念頭に置いているのは、社会的保護が得られない世界中の40億人の方々であり、失業に直面している2億人超の男女であり、児童労働に従事する1億6,000万人の子どもたちであり、非公式部門(インフォーマル・セクター)で働く16億人の方々であり、コロナ禍や気候変動、武力紛争などの危機のために休業あるいはサプライチェーン(供給網)の混乱に直面している企業、とりわけ中小企業であり、職場その他の場所で差別や暴力、ハラスメントに直面している男女であります。これらは全て、たとえ法的義務がないとしても、道徳的に対処すべき許容できない社会的不正義の表現に当たるのです」。

 2012年からその任にあったガイ・ライダー現事務局長(英国)の任期は2022年9月末で満了し、次期事務局長は2022年10月1日に着任します。

 今回の事務局長選挙には以下のように他に4人の候補者がいました。

  • 康京和(カン・ギョンファ)前韓国外交部長官(韓国)
  • ムトゥンジ・ムドワバ前ILO理事会使用者側副議長(南アフリカ)
  • グレッグ・バインズILO管理運営・改革担当事務局次長(オーストラリア)
  • ムリエル・ペニコー前フランス労働大臣(フランス)

 ILO理事会は政労使三者で構成されています。正理事56人(政府側28人、労使各側14人)、副理事66人(政府側28人、労使各側19人)の計122人で構成されていますが、投票権を有するのは正理事のみです。1919年に誕生したILOは最も古い国連専門機関でもあり、全ての人にディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を達成することを21世紀の活動目標に掲げています。現在の加盟国は187カ国です。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。