雇用創出

イラクにおけるILO/EU/UNESCOの新たな協働事業の焦点は仕事と文化遺産

記者発表 | 2021/02/24
バシャル・エルサマルネー主任技術顧問がプロジェクトを現地から紹介(英語・2分12秒)
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 ILOと国連教育科学文化機関(UNESCO)、欧州連合(EU)イラク北部のクルディスターン地域に位置するエルビル文化遺産で国内避難民、シリア難民、難民受入共同体の人々が人間らしく働きがいのある短期就労機会に即時に就くのを支援する新たな協働活動を開始します。このプロジェクトは、UNESCOがEUのシリア危機対応地域信託基金の支援を受けて実施している「文化遺産開発を通じた生計手段支援プロジェクト」の下で進められている文化遺産保全計画に雇用集約型の手法を組み込むものです。

 この協働事業は約1,000人の熟練・未熟練労働者に世界遺産であるエルビル城塞を含む文化遺産の保護・復旧作業に従事する機会を提供する助けになります。作業には植物やがれきの除去などの現場清掃・保全、美化、日差しを避ける場所の設置、連絡道や駐車区画の復旧といったものが含まれます。この活動はとりわけ文化遺産部門における地域経済開発や持続可能な再建を支援する取り組みの一環として文化遺産用地の保全・開発にも寄与することが期待されます。

 この協働事業はより長期的にはシリア人とイラク人の両方に持続可能なディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会と起業家活動を提供することを目指しています。労働者はILOが支援するイラク国内の雇用安定所を通じてキャリア相談やオンライン求職活動、技能開発などの各種雇用安定業務を利用できるようになります。

 パオロ・フォンターニUNESCO駐イラク代表は、この協働事業について、「シリアとイラクの労働者らが現地の基準と国際基準の両方に従った労働者の権利と関連した人間らしく働きがいのある短期的な仕事を得ることを確保し、さらにまた、全ての文化遺産の保全、保護、維持などを通じて雇用を生み、地元の文化と生産物を促進する持続可能な観光業にも寄与することでしょう」と期待を示しています。マハ・カッターILO駐イラク調整官もこの協働事業について、「労働者をより持続可能な雇用と生計を得る機会へと結び付ける可能性がある雇用安定業務の利用機会と技能開発の機会を提供するだけでなく、労働安全衛生措置の実施、労働契約の締結、人並みの賃金の支給などといった、ディーセント・ワークの諸原則に従った即時の短期就労機会を労働者に与えるもの」と評しています。

 ILOにとって、これらの取り組みはディーセント・ワークを促進し、雇用機会を増大するためにイラクで実施されているディーセント・ワーク国別計画の主な優先事項の一部です。同計画に掲げられているイラクの主な活動分野は、民間セクターの育成と雇用創出の支援、社会的保護の強化と児童労働対策、労働分野の統治と社会対話の強化の三つです。


 以上はILOアラブ総局によるベイルート発英文記者発表の抄訳です。