ILO/日本パートナーシップ

日本とILO、スーダンの環境・社会経済面の対応力(レジリエンス)を強化

 日本政府は、スーダンのハルツームで発生した洪水と新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の被害の両方にILOが対応するために190万米ドルを拠出しました。

記者発表 | 2021/03/31

 日本政府は、スーダンのハルツームで発生した洪水と新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の被害の両方にILOが対応するために190万米ドルを拠出しました。今回の日本からの拠出により、ILOは被災した貯水池施設や機能的な排水システムを備えた道路の復旧を支援し、水・衛生(WASH)インフラアクセスを改善します。

 気候変動と2020年7月以降の未曾有の降雨により、スーダンでは自然災害が増加し、インフラへの被害が広範囲に及んでいます。例えば、ハルツームのマヨ郊外で洪水が多発した結果、2,800世帯以上が家を失い、仮設避難所への避難が必要となり、2,000世帯以上の家屋が一部損壊したために、衛生施設へのアクセスができない状態になっています。また、この地域の主要な水源である既存の給水ポンプの半数以上が故障しています。これらのコミュニティは、基本的な生存のためだけでなく、新型コロナウイルスのリスクを軽減するために、水アクセスの改善を必要としています。

 このような新たな緊急ニーズに対応するため、ILOプロジェクトでは、水・衛生インフラを改善し、排水システムを備えたアクセス道路を再建します。これにより、各世帯を社会経済的な施設に結びつけるとともに、コミュニティが即時の収入を得てスキルを高めることができる仕事を地元で創出します。この支援は、経済の再活性化を助け、さまざまな背景を持つコミュニティを巻き込みながら、コロナ禍で必要不可欠のインフラを修復し、人道支援・開発・平和構築活動を結び付けます。

 ILOはまた、労働社会開発省(MoLSD)や技術・職業教育訓練(TVET)機関が、復旧したインフラを維持する能力を強化し、将来の災害に直面した際にディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の原則に基づいた雇用集約型投資を設計・実施するための支援も行います。これには、GIS(地理情報システム)のアクセシビリティ・マッピング技術の知識移転も含まれ、介入設計のためのエビデンスベースを構築し、労働安全衛生(OSH)基準に関する意識向上を図ります。トレーニング教材は、革新的なデジタル技術のおかげで、誰もがいつでもアクセスできるようになります。

 「日本政府の寛大な援助により、インフラ整備と、マヨ・コミュニティの若い人々 にディーセント・ワークの機会を創出することができます。短期的な雇用機会の提供、コミュニティのスキル向上と起業家育成に加え、持続可能性を確保するために、この雇用集約型プロジェクトの経験と教訓を、現在策定中のスーダン国家雇用政策に活用していきます。」とILOスーダン国別事務所長のアレクシオ・ムシンドは述べました。

 服部孝駐スーダン日本大使は、「労働社会開発省からの緊急要請に応えて、マヨ・コミュニティの生活向上のための基本的な水・衛生設備の提供や、技術・職業教育訓練機関の能力強化など、ILOの活動を支援できることを大変うれしく思います」と述べました。

 また、「危険にさらされている人々に人道的な支援を行うことは必須ですが、人道-開発の結びつきを意識し、スーダンの人々が十分な訓練を受け、仕事の機会を得るためのスキルを身につける環境を整えることも同じく重要です」と続けました。

 これらの活動は、世界中で雇用集約的な手法を用いて質の高いインフラを提供する中で培ったILOの48年にわたる経験に基づいていて、ディーセント・ジョブを通じた社会的結束と災害リスク軽減を目的としたILO旗艦プログラム「平和と強靭さのための雇用」の一環です。

 このプロジェクトは、持続可能な開発目標8「ディーセント・ワークと経済成長」目標6「すべての人に水と衛生を」、さらには第7回アフリカ開発会議(TICAD7)の横浜宣言G20の「質の高いインフラ投資のための原則」に資するものです。

お問い合わせ先:ILOスーダン国別事務所 addisababa@ilo.org


 以上はハルツーム発英文記者発表の日本語版です。