ILO/日本パートナーシップ

ジェンダー平等とビジネスの発展に向けたアクセンチュア株式会社とILOのコラボレーション

 3月8日の国際女性デーを記念し、ILOとアクセンチュアは、より良い仕事の世界の実現に向けてジェンダー平等とビジネストレーニングに関して二つのイベントで協働しました。

記者発表 | 2021/03/24
2021年3月17日のウェビナー模様

 2021年3月12日に開かれたアクセンチュア主催の社員向け国際女性デー・オンラインイベントにおいて東・東南アジアを担当するチャールズ・ボドウェルILO企業開発専門官が女性の活躍とこれからの働き方について講演を行いました。イベントにはアクセンチュア社の社員2,500人以上が参加し、キャリアや職場でのジェンダー平等について考える機会となりました。

 ボドウェル専門官は、仕事の世界におけるジェンダー平等についてILOが実施する様々な取り組みを紹介しました。女性の経済的エンパワーメントや、都市と地方の経済格差縮小の重要性を強調し、十分なサポートを受けられない人々が将来仕事で成功するために必要な知識、技能、自信を培うためにILOが展開しているトレーニングプログラムの紹介を行いました。

ボドウェル専門官による講演「女性活躍とこれからの働き方-ILOの取り組みを踏まえて」(英語・日本語字幕付・5分6秒)

 ILOの活動型学習ツール(activity-based learning tools)は参加者主体の交流型トレーニングプログラムで、これまでに30万人以上が参加しています。最近、デジタル版も導入しました。これは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により就労環境が大きな影響を受ける中で、かつてないほど重要なものとなっていす。在宅勤務や社会的孤立は、育児や介護といったケア責任を不均衡に重く担い、男女の役割についての固定観念に直面している女性に特に大きな影響を及ぼしています。

 二つ目のコラボレーションの機会として、アクセンチュアのコーポレートシチズンシップ(社会貢献)活動の一環で2021年3月17日に開かれたウェビナーに参加した川﨑彬ILO企業開発担当官は、アジア太平洋地域におけるILOの活動紹介を行いました。イベントでは総合生存学インパクトセンター及びわかもの国際支援協会の理事を務める横山泰三氏とILOのツールを用いたトレーニングの体験者2名も講演し、ILOの活動型学習ツールとその現代日本の社会問題との関連性について発表しました。

横山泰三氏

ILOの活動型学習ツールは価値観を押し付けるのではなく、参加者が自発的に考え、議論することを目的としており、これは人々の主体性を育てる上で、とても有効なツールだと思います。"

一般社団法人総合生存学インパクトセンター理事
NPO法人わかもの国際支援協会理事 横山泰三氏

 ウェビナーでは、働く母親が直面する困難や増大している若者のひきこもり問題が取り上げられました。新型コロナウイルスの影響を受けてジェンダーや人口構造の課題の重要性が高まっており、今回のイベントはこうした問題に関する今後のコラボレーションやILOのプログラムを応用した支援の可能性に道を開くものとなりました。

 今回のコラボレーションは、アクセンチュア株式会社、総合生存学インパクトセンター、わかもの国際支援協会によるイベント調整、そしてILOの活動型学習ツールを開発した、日本政府の任意資金拠出事業であるSSN基金(アジア地域等における社会セーフティネット構築のための基盤整備等支援事業)の多大な協力によって可能になりました。


 以上は活動型学習ツール・プログラムのアジア太平洋の企業向け相互学習ハブに掲載されている英文ニュース記事の日本語版です。相互学習ハブには、仕事の未来のためのソフトスキル活用や若者の起業、工場改善、小規模事業の競争力構築、地域社会を基盤とした企業の育成、協同組合育成といった、各種活動型学習プログラム関連資料が掲載されています。