同一賃金国際デー

ジェンダーの多様性はビジネスにとって良いことがILOのフィリピン調査から判明

記者発表 | 2020/09/18
ジェンダーの多様性の向上は収益性や生産性の向上など、企業に事業上の利益をもたらします。© ILO/E. Tuyay

 ILOとオーストラリアの女性投資イニシアチブが共同で実施したフィリピンの国別調査からは、同国企業の10社中8社以上がジェンダー(性差)の多様性はビジネスに好影響をもたらすと認めていることが判明しました。国連の定める初の同一賃金国際デーである2020年9月23日に向けて発表されたこの資料『Leading to success: The business case for women in business and management in the Philippines(成功への道:フィリピンのビジネスと管理職における女性についてのビジネス上の根拠・英語)』は、フィリピン企業389社を対象とした調査の結果をまとめています。この国別調査は、70カ国1万3,000社の調査結果を記したILO使用者活動局のグローバル報告『Women in business and management: The business case for change(ビジネスと管理職における女性:変化すべき事業上の根拠・英語)』の一環として実施されたものです。

 調査企業の84%がジェンダーの多様性は事業に複数の利益をもたらしたと回答しています。事業結果の向上を報告する企業の73%が収益性や生産性、創造力、革新力、新たなアイデアの受け入れの面での向上を、69%が有能な人々を引き寄せ、定着させる能力の向上を、61%が企業の評判の向上を、そして半分以上が消費者の関心と需要を測る能力の向上を報告しています。

 調査結果はまた、フィリピンでは女性労働者が多いサービス部門に対する新型コロナウイルス(COVID-19)の影響にも注意を喚起しています。危機は柔軟な就労取り決めやテレワークの重要性に光を当てたものの、同時にまた、家庭責任と仕事の責任の両立という女性の二重の負担を重くすることにもなりました。

 ILO使用者活動局のデボラ・フランス=マッサン局長は、「地域の多くの国が直面している人口構造上の課題や技能不足の問題を考慮すると、フィリピン企業には可能な限り最善の有能な人々を引き寄せ定着させられるといった点でジェンダーの多様性に関するイニシアチブを実践する明確な事業上の根拠が存在することを本調査結果は示しています。したがって、この分野における行動は正しいだけでなく、賢明なことなのです」と説いています。

ジェンダー多様性の利益を得るためには、企業は一定数以上の女性を最高位の役職に就ける必要があります。 © ILO/E. Tuyay

 この調査結果は、ILOがオーストラリア援助局、J.P.モルガン、ILO使用者活動局の資金協力を得て、女性投資イニシアチブ、女性のエンパワーメントのためのフィリピン企業連合(PBCWE)、フィリピン使用者連盟(ECOP)と共催して2020年9月23日に開催するオンラインセミナーで検討されます。ILOフィリピン国別事務所のカリド・ハッサン所長は次のように評しています。「女性と少女が置き去りにされないよう確保するためには、政府、使用者、労働者、女性団体、国際機関との協働が必要です。男女平等やディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に関する持続可能な開発目標の達成、女性の潜在力の完全な発揮に向けて協働することによって、各国がより高い開発水準を達成できるような、より包摂的で革新的な環境が確保されます」。

 ILOは2017年にJ.P.モルガンと協力してフィリピン、インドネシア、タイの3カ国で、女性や少女が科学、技術、工学、数学といった理系関連部門で質の高い就労機会を得られるよう手助けする新たな事業計画を開始しました。J.P.モルガン・フィリピン社のカルロス・マ・G・メンドーサ上級フィリピン担当役員は、J.P.モルガンはジェンダーの多様性を高めることはビジネスにおける創造性、生産性、革新力を高め、最終的に地元経済の強化に貢献すると考えていることを紹介した上で、機会平等を掲げる使用者として、同社は女性が未来の産業全般にわたり、有意義な雇用を得る助けになるよう、女性が理系技能を備えるよう支援に努めていると語っています。


 以上はILOフィリピン国別事務所によるマニラ発英文記者発表の抄訳です。