国際移住者デー

2020年ILO労働力移動と公正な人材募集・斡旋グローバル・メディア・コンクール受賞作品発表

記者発表 | 2020/12/18

 12月18日の国際移住者デーに際し、ILOは「労働力移動と公正な人材募集・斡旋グローバル・メディア・コンクール」の受賞作品を発表しました。

 67カ国から290点を超える応募があり、報道関係者を中心とする5人の審査員で構成される独立審査員団が創造性、正確さ、バランス、移民の保護、労働力移動のプラスイメージの表現といった審査基準をもとに厳正な審査を行った結果、最終選考に残った6点の中から以下の4点が受賞作品に選ばれました。

発表作品部門

  • プロフェッショナル賞:米国の「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」2020年8月12日版に掲載された記事「8週間で240億トンのサクランボを摘み取る急ぎ仕事」。ブルック・ジャービス氏執筆のこの記事は、たとえコロナ禍の中でも一つ一つ丁寧に摘み取りを行う必要不可欠ながら使い捨てと感じられている季節移民農業労働者の現状を報告しています。
  • プロフェッショナル賞:マレーシアを拠点として東南アジアの人々のための情報発信を行う非政府組織ニュー・ナラティフから2019年11月26日付で発表された記事「エセックスのトラック事件の悲劇と移住の物語」。ラム・レ氏執筆のこの記事は、英国に密入国を試みた39人のベトナム人が命を失った悲劇の背景にある事情を追っています。

梗概部門

  • プロフェッショナル賞:「悪夢と化すアメリカン・ドリーム:米国で働くために支払う代償」。ダナ・アルマン氏のこの企画は、米国でソーシャル・メディアを用いて移民を偽の仕事に誘い込んでいる複雑な詐欺の仕組みの被害者についての調査を提案しています。
  • 学生賞:「目に見えぬ不可欠な人々」。クレメンティーヌ・エベノ氏のこの企画は、フランスの清掃外注業務を通じた移民搾取の調査を提案しています。

 選ばれた作品はとりわけ現下の危機状況下における国際労働基準及びILOの「公正な人材募集・斡旋のための一般原則及び実務指針並びに人材募集・斡旋手数料及び関連経費の定義」に沿った移民労働者の権利の保護と労働力移動の良い統治の重要性に光を当てるものとなっています。これらの諸原則はとりわけ、人材募集・斡旋に際して労働者に何らかの手数料または関連経費の請求を行うべきではないとの原則を強く打ち出し、移民労働者を守る公正かつ実効性のある労働力移動の枠組み、制度・機構、業務を求めています。

 国際労働組合総連合(ITUC)、国際使用者連盟(IOE)、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、国際ジャーナリスト連盟(IFJ)、イークォル・タイムズ、労働者の権利擁護機関「連帯センター」、アジア移民フォーラム(MFA)、そして欧州連合(EU)が資金拠出する「労働力移動の斡旋・募集枠組み改善グローバル行動(REFRAME)プロジェクト」、スイス開発協力庁(SDC)が資金拠出する「第2期公正人材募集・斡旋総合計画(FAIR Ⅱ)」の後援を受けて開催されたこのコンクールは、バランスの取れた倫理的な報道は誤解や固定観念に対処し、移民労働者が送出国と受入国で果たしている貢献に光を当てる重要な役割を果たし得るとの考えから、労働力移動問題に関する質の高い報道の推進を目指しています。今年のコンクールでは賃金不払いに関するものなど、移民労働者とその家族に対する新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行の影響に関わる事項を取り上げた作品が奨励され、好意的に評価されました。コンクールは移民労働者の労働条件改善や移住に関する公的叙述に対するプラスの影響などといった「安全かつ秩序だった正規の移住のためのグローバル・コンパクト」と「難民に関するグローバル・コンパクト」の幾つかのターゲットに寄与することも期待されています。

 審査員を務めたミシェル・レイトンILO労働力移動部長は、移民労働者はしばしば、コロナ禍の影響を最も激しく受けており、その上なお、同時にまた、必要不可欠なエッセンシャル・ワーカーと呼ばれる労働者の中の多くも占めている場合が多いことを指摘した上で、「移住を巡る人々の認識を形成する上で報道機関の役割がこれほど重要になったことはありません」として、2020年の受賞作品について「新型コロナウイルスの世界的大流行の中での移民労働者の物語を描き、その強靱性と決意に光を当てるこれらの作品は、労働力移動と公正な人材募集・斡旋についての模範的な報道を示す実際的な例」であると評価しています。

 ILOは応募作品の質を認めるものではありますが、そこに用いられている名称や用語、表明されている意見に対する責任は原著者のみが負うものであり、ILOによるその再掲は支持を表すものではありません。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。