BRICS労働・雇用大臣会合

雇用、社会的保護、社会対話に対するBRICSの公約をILOは歓迎

記者発表 | 2020/10/09
BRICS第6回労働・雇用大臣会合 © BRICS

 2020年10月9日にロシアが主催してバーチャル会合として開かれたBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)諸国の第6回労働・雇用大臣会合は、企業、安定した包摂的な労働市場、人間を中心に据えた開発を支えることを意図した幅広い公約を示す宣言を採択して閉幕しました。会議に参加したガイ・ライダーILO事務局長は、この新型コロナウイルス(COVID-19)の前代未聞の課題に対応するために労働市場を支えるさらなる行動を取るとのBRICS諸国の公約を歓迎しました。

 開会式で挨拶したライダー事務局長は、BRICS諸国の危機対応策の一部として、2020年3~8月の期間にこの5カ国で計121の新たな社会的保護措置が導入されたことに触れ、既に実施されている雇用・社会的保護関連措置を評価し、次のように述べました。「ますます財源が逼迫する可能性が高い時に、必要な規模の雇用、企業、所得支援措置を維持することは困難な課題でありましょうが、貧困を削減し、誰も置き去りにされないよう確保する上で達成されたあらゆる進歩が後戻りするのを避けるためにも、努力の継続が必要でしょう。同時にまた、より高いレベルの国際協力と連帯も求められます」。

 採択された閣僚宣言では、とりわけ女性や若者、高齢労働者などの高リスクで脆弱な集団を対象にした、職場における予防的安全衛生文化の促進や、職場における暴力とハラスメントの撤廃、女性のエンパワーメントの育成と雇用機会の拡大、介護などのケア経済への投資に向けた公約の再確認も行われています。さらに、ILOの「2012年の社会的な保護の土台勧告(第202号)」を考慮に入れて社会的保護制度のさらなる強化を図ることや包摂的で十分な社会的保護を全ての人が利用できる機会を漸進的に確保することなども盛り込まれています。ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に向けた変革的科学技術の推進、そして非公式(インフォーマル)経済の労働者及び企業の公式(フォーマル)経済移行の促進に向け、国の公共職業安定機関や労働監督機関、社会的保護機関にデジタル機能を整備し、グレードアップを図るさらなる活動も実施される予定です。

 宣言はまた、社会対話の中心的な役割、そしてディーセント・ワークの前進を図るためにそれを強化する必要性も認めており、これを示すものとして、会合には5カ国の社会的パートナーである労使団体も参加しました。ガイ・ライダーILO事務局長はこれを歓迎し、「競合する利害の実効的な調和、対応措置に関する主体性と信頼感の構築を可能にする社会対話の重要性はいくら強調しても強すぎることはありません」と説いています。

 ライダー事務局長は開会式での演説に加え、デジタル経済における仕事の未来に関する発表を行い、仕事の世界が直面している課題に取り組む助けになるようデジタル経済の潜在力を育むことを提案しました。事務局長は新技術が機会と共に課題ももたらしていることを指摘した上で、全ての人にディーセント・ワークを達成するという目標を科学技術を用いて推進する例として、公共サービスの提供と労働規制の執行の二つの分野を挙げ、その潜在力を例示しました。その上で、とりわけ対象を定めた政策行動が求められる重要な課題として、デジタル基盤構造への投資増、個人データの保護とプライバシーの確保、科学技術進歩の果実が平等に共有されることの確保に向けて脆弱な集団を対象とした措置を講じること、インターネットを通じた労働の場の規制、技能格差の縮小、デジタル戦略の設計・向上において必要な革新的パートナーシップの6分野を挙げ、仕事の世界が大規模な長期的混乱に直面している中、こういった混乱や変容に対処するに当たり、人間を中心に据えた取り組み方を示す「仕事の未来に向けたILO創設100周年記念宣言」の重要性を強調しました。事務局長はさらに、この取り組みに含むべき重要な要素として、インフォーマル経済からフォーマル経済への移行、男女平等の実効的な実現、児童労働の撤廃を挙げ、2021年が国連の定める児童労働撤廃国際年であることに注意を喚起し、南アフリカが次の「児童労働の持続的な撤廃世界会議」の開催国に立候補したことに感謝の意を表しました。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。