ビジネスと人権に関する国別行動計画
ビジネスと人権に関する国別行動計画(NAP)発表に向けて、ステークホルダーが昨年に引き続き第2の共通要請事項を提出
2020年6月2日、「ビジネスと人権に関する国別行動計画(NAP)」の策定作業部会を構成するステークホルダーは、昨年の第1共通要請事項に引き続き、2020年2月にパブリックコメントに付されたNAP原案と、今般の新型コロナウイルス感染症拡大を踏まえ、新たにNAPへの提言として第2の共通要請事項を策定、政府宛に提出しました。ILO駐日事務所は社会対話促進の一環としてこのステークホルダー対話を主導しています。
【東京発ILOニュース】2020年半ばの公表を目指して議論が行われてきた「ビジネスと人権に関する行動計画(NAP)」について、政府は2020年2月に行動計画原案を取りまとめて公表し、パブリックコメントに付しました。これに対し、ステークホルダーをはじめ幅広い関係者から意見が寄せられ、NAP作業部会を構成するステークホルダー(※)間でも、NAPをより良いものとすべく原案についての協議が行われました。
また、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大に伴うビジネスと人権への影響についても、国内外の動向や表明される懸念を踏まえて、ステークホルダー間で議論が行われました。
ILO駐日事務所は、この議論の取りまとめに中心的に関わりました。議論の結果、2020年6月2日、NAP策定作業部会のステークホルダー構成員一同は、以下を内容とする共通要請事項(第2要請書及び共通要請事項(第2))について合意し、これを発表し、政府に提出しました。
- 昨年11月に提出された第1共通要請事項の更なる反映のための議論
- ステークホルダー関与型のNAP実施・モニタリング・改定の体制整備
- コロナ危機の人権への影響とその対応についてのNAPへの組込み
今後、2020年半ばのNAP公表を目指し、政府とステークホルダーの対話がさらに継続される予定です。
本記事に関するお問い合わせ先:
ILO駐日事務所 プログラムオフィサー/渉外・労働基準専門官 田中 竜介
TEL:03-5467-2701/E-MAIL:tokyo@ilo.org
【関連文書】
- 第1共通要請事項
- 多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言
- 労働における基本的原則及び権利に関する ILO宣言
- 新型コロナウイルス(COVID-19)と仕事の世界ポータルページ
- ILOバックグラウンドペーパー「ビジネスと人権行動計画(NAP)策定に向けた関連文書の分析~主要テーマごとの参照事項の集約」
- OHCHR Statement by the UN Working Group on Business and Human Rights
※ 日本経済団体連合会、日本労働組合総連合会、中小企業家同友会全国協議会、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン、日本弁護士連合会、ビジネスと人権NAP市民社会プラットフォーム、投資家(個人資格)、ILO駐日事務所