G20サミットとコロナウイルス

コロナウイルス危機に応える最初のグローバルな一歩としてG20の公約をILOは歓迎

記者発表 | 2020/03/26

 2020年3月26日にサウジアラビアが主催してテレビ会議システムを用いて開かれた新型肺炎コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行に関する主要20カ国・地域(G20)の特別バーチャル・サミットに参加したガイ・ライダーILO事務局長は、コロナウイルスの世界的流行がもたらした未曾有の課題に対する真に地球規模の対応を構築する最初の重要な一歩としてG20リーダーらの公約を歓迎し、次のようなコメントを発表しました。

 「この世界的大流行が健康、社会、経済という絡み合う三つの分野に与えている影響の克服に向けた、必要なことは何でも行おうとの力強く明確な公約は非常に歓迎できる最初の一歩です。人々、職、収入、企業を守るために努力を惜しまないとの決定は、極めて重要です。今こそ地球規模の連帯、とりわけ社会の最も脆弱な人々、新興国及び途上国と連帯する時です。医療対応の最前線に立つ保健医療労働者を全面的に支える必要もあります」。

 サミットの声明はILOと経済協力開発機構(OECD)に対し、この大流行が雇用に与える影響を監視するよう求めています。ILOは3月18日に発表した仕事の世界に対するこの突発的事態の地球規模の影響の仮評価で、失業者数が世界全体で約2,500万人増え、数百万人が不完全雇用状態や働く貧困層に陥る可能性を指摘しました。ライダー事務局長は、コロナウイルスの大流行がたちまち世界的な経済危機へと化し、これは容易に地球規模の景気後退につながる可能性を強調し、労働者、職、収入を支える具体的な措置を講じることを呼びかけ、この措置として、社会的保護の拡大、短時間労働や有給休暇、その他の助成金による雇用維持支援策、零細・中小企業に対するものも含む財政援助・減税策などを挙げました。さらに、「2008~09年の金融危機の際には世界が団結して最悪の事態が避けられました。今度も同じことを、そしてもっとうまくやるチャンスが与えられています。ただし、2020年代を1930年代の再来にしないためにも今、行動を起こさなくてはなりません」と強調しました。

 事務局長はまた、危機克服に効果的な類いの措置に対する公衆の信頼と支援を構築する重要な手段の一つとして、労働者、使用者、それぞれの代表を関与させる社会対話の活用を呼びかけました。その上で、「G20は国際連合と協働し、必要な地球規模の行動を、求められる規模で提供する必要があります。私たちにはそのための手段があります。必要なのは国境を越えて見通す政治的な意思だけです」と訴えました。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。