パートナーシップ

ILOと全国社会保険労務士会連合会が諸外国における労働社会保険関連法令の遵守向上と社会保障制度の対象拡大に向けて連携

 ILOと全国社会保険労務士会連合会は2020年3月23日に社会保険労務士制度の導入に向けた技術協力などを内容とする覚書を締結しました。

記者発表 | 2020/03/23

 東京発ILOニュース-ILOと全国社会保険労務士会連合会は、2020年3月23日に、労働法及び社会保障制度に関する専門的なアドバイスを提供する社会保険労務士制度の世界的な普及を通じて労働・社会保障関連法令等の遵守向上を図り、全ての人のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現をもって「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に寄与することを目指す覚書を締結しました。

 スイス・ジュネーブのILO本部と東京・中央区の全国社会保険労務士会連合会の本部をテレビ電話会議システムで結んで締結された覚書において予定されている活動には、◇他国(特に新興国及び開発途上国)における社会保険労務士制度の導入に向けた技術協力の実施、◇労働・社会保障関連法令等の遵守向上を通じて企業の発展と労働者の福祉に寄与する社会保険労務士の役割に関する意見交換、調査研究などが含まれています。

フィクトル・ファン・フーレンILO企業局長

 ILOを代表して覚書に署名したフィクトル・ファン・フーレン企業局長は、労働・社会保障関連法令等の遵守向上は、労働者の福祉だけでなく、労使関係の改善と労使の信頼促進を通じて持続可能な企業の発展にとっても基本的要素であることを指摘した上で、社会保険労務士制度における日本の成功を評価し、「官民連携を通じた類似の制度が、ディーセント・ワークと持続可能な開発目標の必要不可欠な目標の一つであるところの労働・社会保障関連法令等の対象となる企業及び労働者の拡大」に大きく寄与することへの期待を示しました。

 日本はアジアで唯一、ILOの「1952年の社会保障(最低基準)条約(第102号)」と「1964年の業務災害給付条約(第121号)」を批准しています。全国社会保険労務士会連合会の大野実会長は、国内における労働社会保険諸法令の遵守向上に向けて、日本政府及び企業、とりわけ中小企業を支援してきた社会保険労務士の重要な役割を強調しました。そして、2018年に社会保険労務士制度が創設50周年、2019年にILOが創設100周年を迎えたことに触れて、「共にこれから新たな時代を進もうとしているこの時期に、今日このような覚書を締結できたことは、全国社会保険労務士会連合会にとって大変喜ばしいこと」と喜びを表明しました。

大野実全国社会保険労務士会連合会会長 © the Japan Federation of Labour and Social Security Attorney's Association 2020

 全国社会保険労務士会連合会は、2008年に国際協力宣言を採択して以来、調査研究や他国の類似機関とのネットワーキング、新興国及び開発途上国における類似制度の導入支援などの国際協力活動を拡大してきました。ILOとの協力による技術支援活動も実施され、例えば、インドネシア版社会保険労務士制度の導入支援が行われました。覚書の下、マレーシアやベトナムにおける同種の制度の導入における協力活動も予定されています。

 田口晶子ILO駐日代表は、今回の覚書締結を通じて日本の知識と経験が世界各国、とりわけアジアの新興国と途上国における社会的保護の促進に活用されることへの期待を示し、「このILOと全国社会保険労務士会連合会との協力は、必ずや、平和と社会正義の実現のための基本的な基盤であるところの労働法制枠組み及び社会的保護制度の改善に寄与することでしょう」と希望を述べました。