児童労働
グローバル・サプライチェーンにおける児童労働に終止符を打つための次の一歩を目指して国際会議を開催

世界中の政府が2030年までに達成することを目指している持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット8.7は、2025年までに児童労働をなくし、2030年までに強制労働、現代の奴隷制、人身取引をなくす効果的な措置を講じることを求めています。ターゲットの達成に向けて、ILOを含む225のパートナー組織が8.7連合の下に結集し、協力し合っています。オランダ政府はILO、児童労働に反対するグローバルマーチ、オランダ企業庁の協力を得て、2020年1月27~28日にライデンで開催している国際会議の中で、8.7連合の草分け国となり、ターゲットのより早い達成に向けて率先して努力することを宣言しました。草分け国は既に20カ国を数えますが、欧州連合(EU)からの立候補は初めてです。草分け国は、ターゲット8.7の達成に向けて、新たな行動を実施し、新たな手法を試み、そこから得た知識を8.7連合の他の参加組織と共有することになります。
「グローバル・サプライチェーン(世界的な供給連鎖)における児童労働に終止符を打つために次の手を講じる」と題する会議で、開会挨拶を行ったガイ・ライダーILO事務局長は、今日でもなお、いまだに1億5,200万人の児童労働者が存在することに注意を喚起し、「歩みを加速させる必要は明らか」と訴えました。そして、国連決議で宣言されたように、2021年が「児童労働撤廃国際年」となったことを、「2025年までにあらゆる形態の児童労働をゼロにする目標の達成に向けた勢いを保ち、活動を加速する大いなる機会」に位置づけました。
ライダー事務局長はさらに、グローバル・サプライチェーンにおける児童労働に対する取り組みは、直接的な下請け業者を越え、原材料の採取や生産に関わる者たちも含まないことには不十分であろうと指摘して、「サプライチェーン全体を通じた取り組み」を提唱しました。また、貧困や労働の非公式性、不十分な教育機会などのグローバル・サプライチェーンにおける児童労働の根本原因に対処することを各国政府に求めました。
8.7連合の事務局を務めるILOは昨年、参加組織である経済協力開発機構(OECD)、国際移住機関(IOM)、国連児童基金(UNICEF)と共同で、グローバル・サプライチェーンにおける児童労働の規模を初めて推計した報告書を発表しました。『Ending child labour, forced labour and human trafficking in global supply chains(グローバル・サプライチェーンにおける児童労働、強制労働、人身取引に終止符を・英語)』と題する報告書は、児童労働とグローバル・サプライチェーンのつながりはしばしば間接的であり、その相当割合が連鎖下層の原材料の採取や農業などの活動で発生しており、相当な注意義務(デュー・ディリジェンス)や可視性、追跡可能性を難しくしていることを明らかにしています。
以上はライデン発英文記者発表の抄訳です。