労働統計

ILOが新たな統計ポータルサイトILOSTATを開設

記者発表 | 2019/11/05

ILO統計局は従来より雇用、失業、賃金、労働時間、労働災害など、労働分野の幅広い統計データをILOSTATとしてデータベース化し、インターネット上で公開していましたが、このたび、内容を大幅に改訂し、国別・データ別で様々なデータを英仏西語の3カ国語で簡単に入手できるように刷新しました。

 ILOは持続可能な開発目標(SDGs)労働市場関連指標のうち14の保管機関になっていますが、新しいポータルサイトでは、このうち、保管機関でない製造業就業者比率(指標9.2.2)を含む、次の12の指標のデータが入手できます。働く貧困層(ワーキング・プア)比率(以下同1.1.1)、社会的保護適用率(1.3.1)、女性管理職比率(5.5.2)、労働生産性(8.2.1)、非公式(インフォーマル)就業(8.3.1)、平均時給(8.5.1)、失業率(8.5.2)、就業も就学も訓練受講もしていない若者ニート率(8.6.1)、児童労働(8.7.1)、労働災害(8.8.1)、労働分配率(10.4.1)。従業上の地位や産業・職業別就業者数などの各国統計データに加え、ILOのモデル推計による地域別や世界全体の潜在労働力や賃金上昇率などの推計値、労働監督や最低賃金、低賃金率などの労働条件関連指標、労働組合組織率や争議行為などの社会対話分野のデータ、主要20カ国・地域(G20)や都市・農村、公務部門などの特定分野のデータ集合などを、様々な選択肢で作表し、データをダウンロードすることができます。

 ILOSTATは一カ所で労働分野の各種データを入手できるだけでなく、労働統計について学ぶこともできるワンストップショップです。詳細なクロス集計などのために、大量のデータ集合を一括してダウンロードすることもできます。データは国別あるいは雇用、働く貧困層、児童労働、労組組織率などのテーマ別で検索でき、データ表のみならず、定義や統計手法など、各種手引き情報も入手できます。無料のアプリを用いて国別概況をモバイル端末でご覧になることもできます。一般刊行物に加え、ILOの統計専門官や経済専門官が様々なデータの使用法や特徴などについて分かりやすく解説するブログや論文記事、各種イベント情報へのリンクも設けられています。

 ILO統計局のラファエル・ディエス・デ・メディナ局長は「労働統計は根拠に基づく政策を設計する上で決定的に重要であり、『ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を全ての人へ』という目標の達成に向けた取り組みにおいて必要不可欠な役割を演じています」と述べて、この新しい統計ポータルサイトが非常に有用なツールとしての価値を立証することへの期待を示しています。ILO統計局は包括的な労働統計の提供に加え、労働事項のより良い測定及び国際比較可能性の向上に向けた国際基準の設定、ILO加盟国の労働統計改善支援といった業務を行っています。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。