国連気候行動サミット

国連気候行動サミットで多数の国が公正な移行を公約

記者発表 | 2019/09/23
サミットの閉幕にあたり、登壇して公約に対する支持を示す国連チーム

 2019年9月23日にニューヨークで開かれた国連の気候行動サミットでは、国際労働組合総連合(ITUC)や国際使用者連盟(IOE)などのパートナーに支えられてILOが実行を主導する「仕事のための気候行動イニシアチブ」についてスペインのペドロ・サンチェス首相が各国政府に参加を呼びかけました。このイニシアチブは、二酸化炭素の増加を引き起こさない経済への世界的な移行に際し、人間らしく働きがいのある仕事を創出し、生計手段を保護するような人間中心の行動を取るよう求めるものです。この公約は、環境面から見て持続可能な経済と全ての人のための社会に向けた公正な移行を進める共通の取り組みを追求するという政府、使用者団体、労働組合、国連機関、市民社会の相当規模の関与を意味するものです。

 サミットにおいてサンチェス首相は、「私たちに求められている経済の移行は、誰も置き去りにしない公正な移行でなくてはなりません。気候に関連した私たちの野心と社会的な公約はまた、男女平等の促進及び女性と少女のエンパワーメントも同時に進めるものでなくてはなりません」と説いた上で、スペインが気候行動の中心に人々を据えた移行の先頭に立ち、ILOと手を組んで公正な移行に向けた国際的なパートナーシップを促進するつもりであることを明らかにしました。

 ガイ・ライダーILO事務局長は50カ国近くから示された公正な移行と環境に優しく人間らしく働きがいのあるグリーン・ジョブの創出に向けた国内計画立案の公約を歓迎し、サミット後に次のようにコメントしました。「公正な移行とは、私たちが取る気候行動が地球、人々、経済を守るよう確保することを意味します。このイニシアチブは、脆弱な集団のための社会的保護措置に加えて人間らしく働きがいのあるグリーン・ジョブの機会、技能開発、企業革新を後押しするような措置を中心とした政策整合を奨励するよう設計されています」。生産とエネルギー利用を環境に優しいものにする措置は、2030年までに正味で約2,400万人分の仕事を創出する可能性があるとILOでは予想しています

 サミットの直前にこのイニシアチブを発表したアントニオ・グテーレス国連事務総長は、「滅び行く惑星上で企業が成功を収めることも、死にゆく惑星上で仕事を保つこともできません」と訴えて、「気候行動のギアを上げることができるよう、世界中の政府、企業、人々がこの取り組みに加わることが必要です」と参加を呼びかけました。

 国内計画に含むべき具体的な措置として仕事のための気候行動イニシアチブが示しているものには以下のような事項が含まれています。

  • 気候行動が雇用、社会、経済に与える影響の評価
  • 技能開発・技能向上策の実施
  • 労働者及び脆弱な集団の保護に向けた革新的な社会的保護政策の設計
  • 技術革新、責任ある投資に加えて、途上国に対する科学技術と知識の移転を増加させること
  • 企業、とりわけ中小規模の企業による低炭素生産工程採用を可能にするような事業環境の醸成
  • 企業が環境面から見て持続可能な商品・サービス生産に移行するのを支持・奨励する経済政策・奨励措置の考案
  • 状況を変容させるような持続可能な変化についての合意形成に向けた包摂的な社会対話の仕組みの構築

 ILOが政労使の合意によって2015年に採択した「環境面から見て持続可能な経済とすべての人のための社会に向かう公正な移行を達成するための指針」は、低炭素経済への移行を導く枠組みを提供しています。


 以上はニューヨーク発英文記者発表の抄訳です。