国際労働基準

ILO創立100周年記念批准促進キャンペーンに応えて条約批准が増加

記者発表 | 2019/09/13
ジュネーブで開かれた創立100周年記念ILO総会で2019年6月21日に行われた「仕事の世界における暴力とハラスメントの撤廃に関する条約」の最終記録投票 © ILO

 ILOは2019年初めから、創立100周年を記念して少なくとも1本の国際労働基準の批准を加盟国に呼びかける「一つをみんなのために(One for All)100周年記念批准促進キャンペーン」を展開しています。この呼びかけに応える形で2018年初めから数えて既にILO加盟国の3分の1に当たる61カ国が条約あるいは議定書を批准しています。内訳は、アフリカ17カ国、米州9カ国、アラブ2カ国、アジア太平洋13カ国、欧州・中央アジア20カ国になります。国によっては複数批准しているため、今年に入ってからの条約または議定書の批准数は50本、昨年批准して今年発効したものは44本に達しています。ILO総会開催中の2019年6月の批准数は23本という新記録が達成されました。

 条約の中では、「1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)」の批准国が186カ国となり、全加盟国による批准が目前です。187の全加盟国による批准が達成されたならば、ILO条約史上初めてのこととなります。また、2019年末までに60カ国による批准を目標に掲げる「1952年の社会保障(最低基準)条約(第102号)」は、目標達成まで2カ国を残すのみとなっています。

 コリンヌ・バルガILO国際労働基準局長は、「私たちは時に、1日8時間労働や有給出産休暇、最低賃金を当たり前のことと受け止めていますが、これは国際基準に根源をもつ仕組みであり、批准の進展は、こういった制度が私たち及び将来世代の暮らしに真の価値を付加するだけでなく、まだ改善の余地があることを推測させます」として、100周年記念批准促進キャンペーンに対する各国の対応に「非常に元気づけられた」との感想を述べています。

 国際労働基準はILOの活動の中核を占めています。1919年の創立時から今日まで、ILO総会で採択された条約の数は190本、勧告は206本に上ります。取り上げられているテーマは、児童労働や労働時間から船員の権利に至るまで多岐にわたっています。最も新しいものは2019年の総会で採択された「仕事の世界における暴力と嫌がらせ(ハラスメント)の撤廃に関する条約と勧告」です。

 こういった国際労働基準は数百万の人々の勤労生活を改善してきたものの、仕事の世界にはいまだに多くの問題が残されています。技術発展や気候変動、人口動態の変化やグローバル化など、職場に変容を及ぼす新たな力も存在し、国際労働基準の適切性はかつてないほど高まっています。

 ILO就労基本原則・権利部のベアテ・アンドレエス部長は、ILOが社会正義を追求するに当たって用いる中心的な手段である国際労働基準の設定、批准、適用監視は、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記されているように、持続的で包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用、全ての人のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に向けた公約を満足するために私たちが協働している今日、なおもカギを握る要素であると説明しています。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。