ILO事務局長訪タイ

ガイ・ライダーILO事務局長が7年ぶりにタイを公式訪問:首相らと会談/タイとの協力強化を歓迎

記者発表 | 2019/07/24
ガイ・ライダーILO事務局長のタイ訪問(英語・2分8秒)

 2019年7月22~24日に7年ぶりにタイを訪れたガイ・ライダーILO事務局長は、プラユット・ジャンオーチャー首相、チャトゥモンコン・ソナクン労働大臣を始め、労使代表らと会談し、仕事の世界における変化についていくための技能訓練の必要性や仕事の未来の文脈における生産性と競争力、労働者の保護や権利の強化に向けてILOとタイの間の協力と友情を強める方法などについて話し合いました。

 ILO創設時からの加盟国であるタイの政労使は今年4月、ILO創立100周年の祝賀式典の際に、同国でディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を実現するための計画を記したディーセント・ワーク国別計画を初めて調印しました。事務局長はディーセント・ワーク国別計画の策定や「1930年の強制労働条約の2014年の議定書」、「2007年の漁業労働条約(第188号)」の批准などの最近の動向を評価し、政労使による新基準の実施に対するILOの支援を改めて約しました。

 事務局長はまた、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)のアルミダ・アリシャバナ事務局長とも会談し、国連がアジア太平洋諸国と連携して「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実施を支援し、歩みを早める方法について意見を交換しました。

 さらに、水産加工産業における労働条件改善に向けた政労使の取り組みをILOが支援しているサムット・サーコーン県を訪れ、ツナ缶工場を見学し、漁業関連法や労働法違反に関して船舶の検査を行っている入出港船舶検査センターを視察しました。主にミャンマーからの外国人漁業労働者や船舶監督官らから直接話を聞いた事務局長は、複雑な漁業の成功と持続可能性は、労働条件が良好であるか否かにかかっている点を強調し、良い労働条件は労使双方のためになると指摘しました。

 ライダー事務局長は滞在中、2019年7月19~26日の日程で、バンコクで開催中の教育インターナショナル(EI)の第8回世界大会にも出席しました。23日に講演した事務局長は、いかに素晴らしい科学技術の応用が考えられようと、自らの権利を知り、それを行使する自由がある、資格を有し教育を受け、適正な給与の支払いを受けている教員ほどうまく教育を提供することができる人はいないと強調しました。

 事務局長はタイを出た後、パプアニューギニアに向かい、気候変動とディーセント・ワークに関するハイレベルフォーラムの開会式に出席することになっています。


 以上は次の2点のILOアジア太平洋総局によるバンコク発英文記者発表の抄訳です。