第6回ディーセント・ワークのための規制会合

第6回ディーセント・ワークのための規制会合:ベトナムの研究者に賞を授与

記者発表 | 2019/07/11
ライダーILO事務局長から賞状を受け取るグエンさん

 ジュネーブのILO本部で開かれていた「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)のための規制ネットワーク」の第6回会合は、最終日の7月10日に、「2019年度ディーセント・ワークのための規制賞」をベトナムの研究者ハン・グエンさんに授与して閉幕しました。この賞は途上国の若手研究者が会議に提出した論文の中から選ばれた最も優秀な作品に与えられます。

 「期待と現実:ミャンマーの衣料品工場で働く女性移民労働者の福祉」と題するグエンさんの論文は、経済・社会の移行期にあるミャンマーにおける労働者福祉の問題を取り上げ、労働集約的な衣料品工場における女性移民労働者の経験、そして物質的福祉と非物質的福祉の概念がどのように理解されているかを検討しています。グエンさんはこの論文を、これまでミャンマーでは見られなかった衣料品工場における女性移民労働者のエンパワーメントに向けた具体的な行動として、政策提案の形にして同国の労働・移住・人口省に提出することを計画しています。

 「ディーセント・ワークのための規制(RDW)ネットワーク」とは、近年の雇用政策の主流を占める反労働法論拠に対する一貫した対応を育み、労働市場の規制をより効果的なものとするような方向に政策と調査研究を前進させることを目指してILOがメルボルン大学ロースクール雇用・労働関係法センターなど世界各地の学術機関や政策研究機関と協力して構築した研究者のネットワークです。ネットワークは、労働者の権利を経済成長戦略に組み込む調査研究に光を当てて促進し、グローバル化経済において労働者の権利を維持し、前進させるための理にかなった一貫性のある論拠をできるだけ幅広い人々に届けることを目指して2009年から隔年で国際会議を開催しています。

 6回目となる2019年の会議は「21世紀の仕事と福祉」をテーマに、7月8~10日に開かれました。前回2017年の会議では、仕事の未来に影響を与えている幾つかの重要な側面の探求が行われましたが、2019年の会議では、引き続き仕事の未来に焦点を当て、より公平かつ公正な社会を確保する助けになる可能性がある革新的な制度機構や世界を変容させるような政策に関する理解を深めることを目指して意見交換が行われました。1)仕事の世界における移行と変容、2)資本主義の再考、3)仕事の世界における福祉、4)21世紀の社会契約である制度・機構の構築と刷新の四つのテーマを中心に、国際社会がより良い仕事の未来を形成する助けになるような新たな思想や政策が検討されました。

 賞を授与したガイ・ライダーILO事務局長は、この創立100周年の重要な年におけるILOにとって非常に元気づけられる前途有望な今回の会合を「際だって生産的で成功を収めた会合」と評価し、出席者を祝福しました。

 第6回ディーセント・ワークのための規制会合のウェブサイト(英語)では、音声ファイルに加えて一部は動画で会合の模様を視聴できます。

 会期中にはまた、ツイッター・ライブとして、初日と最終日の2日間にわたり、出席者へのインタビューが行われました。初日の8日には調査研究部門を統括するデボラ・グリーンフィールドILO政策担当副事務局長、会議の組織委員であるダーラム大学のディアドリ・マッキャン教授、「価値創出の再考:革新性に主導された包摂的成長」と題する基調講演を行ったユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのマリアナ・マズカット教授に会議の意義や期待すること、自身の研究内容等について尋ねました。

 最終日の10日には、ガイ・ライダーILO事務局長に加え、仕事の未来世界委員会の報告書に関する最終セッションで基調講演を行ったマサチューセッツ工科大学のニコラス・アッシュフォード教授、ディーセント・ワークのための規制賞を受賞したグエンさん、そして主催者として会議の運営に奔走した組織委員会の面々にそれぞれインタビューを行い、グエンさんの研究内容や今後の予定、会議成果に関する各自の感想、政策面と学問面の間隙を埋めるこの会議の意義などについて尋ねました。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。