第108回ILO総会ハイレベルゲスト

第108回ILO総会10日目:マーシャル諸島の大統領とベルギーの国王が気候面の脅威と技術変革に光を当てて演説

記者発表 | 2019/06/20
第108回ILO総会模様

 2019年6月10日にジュネーブで開幕した第108回に当たる創立100周年記念ILO総会には、日本を含む187加盟国から参加する約5,700人の政府、使用者、労働者の代表に加え、30人以上の国家元首・政府首脳級のハイレベルゲストが出席し、ILOに付託されている社会正義の任務に対する支持を表明し、公正な仕事の未来に向けた地球規模の行動を呼びかけています。

 総会10日目にはマーシャル諸島の大統領とベルギーの国王が出席し、気候変動と科学技術が仕事の世界に与える影響に光を当てる演説を行いました。

 マーシャル諸島のヒルダ・ハイネ大統領は、経済規模が狭小な小島嶼国に適した開発手法を強化する必要性を強調しました。さらに、気候変動が経済に与える影響に光を当て、自国が直面しているますます困難な環境事情が、既に移住や若年雇用の懸念を推進する要素になっていることを報告し、「気候変動と戦い、世界中の労働者を含む脆弱な人々を安全に保つよう、もっと多くのことを緊急に行う必要があります」と訴えました。

 ベルギーのフィリップ国王は、「国家が社会正義の推進と人への投資に向けた具体的な公約」を行うよう奨励する上でILOが担う重要な役割に光を当て、次のように述べました。「技術変革の影響と環境保全の必要性という二つの要素の組み合わせの下で、働き方は抜本的な変化を強いられるでしょう。古典的な成長モデルは限界に達しており、何か根本的に新しいもので置き換える必要があります。新たな経済利権に対して、これまでに達成された社会の前進を守る必要があります。包摂的な三者構成モデルと社会対話を保護し、推進すべきです。これはどちらも社会を安定させる要素であり、移行をより良く管理する偉大な資産なのですから」。

 総会最終日の21日にはアントニオ・グテーレス国連事務総長の演説が行われ、職場における暴力・嫌がらせ(ハラスメント)対策に関する条約と勧告、仕事の未来に焦点を当てた画期的な創立100周年記念宣言の採否が問われます。今総会ではまた、仕事の未来に関連した様々なテーマを取り上げた七つのフォーラムが開催され、国際機関のトップや高名な企業人、実業界の代表、労働組合・政策策定者、市民社会の代表や学識者、若者が参加して議論が展開されました。

 第108回ILO総会のウェブサイトでは、本会議フォーラムの模様を録画動画でご覧になれます。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。