ILOブログ:第108回ILO総会
100周年記念ILO総会の予定
ILO創立100周年に当たる2019年のILO総会はいつもの集会とはひと味違います。100周年を記念するものとして、私たちの望む仕事の未来の構築におけるILOの役割の変化など、仕事の世界で進行中の奥深い変容に焦点が当てられます。
ILO創立100周年に当たる2019年の第108回ILO総会は6月10~21日にジュネーブのパレ・デ・ナシオン(国連欧州本部)で開かれます。しばしば「世界労働議会」とも呼ばれるこのILOの年次総会に今年は187加盟国からの政労使代表約5,700人に加え、45カ国あまりの国家元首・政府首脳や国際機関トップなどハイレベルゲスト50人以上が出席し、本会議場で演説を行ったり、テーマ別フォーラムに参加します。6月21日にはアントニオ・グテーレス国連事務総長の出席も予定されています。
100周年を記念して今総会では仕事の世界で進行中の奥深い変容に焦点が当てられ、私たちの望む仕事の世界の構築におけるILOの役割などに関する議論が行われます。事務局長報告として提出されている仕事の未来世界委員会の報告書の提案事項が総会の議論の基調を導くものとなります。今年1月に報告書が発表されて以来、日本を含む多くの国で既に報告書を巡る国内討議が行われています。
仕事に関連した暴力と嫌がらせ(ハラスメント)は勤労者の健康や安全、福祉に影響を与えますが、昨年の第1次討議を受けて、今年の総会ではこの問題に関する条約と勧告の採択に向けた検討が行われます。
総会は全体委員会を設置して、仕事の世界を変容させている力や全ての人が繁栄を共有するような未来を形成するというILOの使命などを盛り込んだ100周年記念宣言の採択に向けた討議を行います。
例年通りに設けられる基準適用委員会は、幾つかの国における批准条約の適用状況を審査し、改善できそうな点を指摘します。今年の総合調査報告のテーマである社会的保護を漸進的に全ての人に達成する国内政策の実施に関する検討も行われます。
議論を刺激するものとして、6月13~18日には一連のテーマ別フォーラムやイベントが開催されます。高名な講演者や特別ゲストが出席し、対話形式で討議を進めるフォーラムは、仕事と技能や、科学技術とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)、結社の自由と団体交渉、ディーセント・ワークのためのビジネス、多国間主義と仕事の未来、生涯における移行と仕事など、仕事の未来を形成する幅広い事項について活発な議論を行う機会を提供することが期待されます。児童労働反対世界デー(6月12日)を記念して、児童労働のない、より明るい未来を構築する方法に関する討議も行われます。
総会の動きはILOのウェブサイトに加えて、#ILO100のハッシュタグを用いてソーシャルメディアでもフォローすることができます。また、デイリーショーとして、日々の出来事や出席者・専門家へのインタビュー、ILOの活動報告などを盛り込んだライブ番組を毎日配信します。
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以上は、ディミトリナ・ディミトロワILO公式会議・文書・渉外局次長が、ILOのブログ「Work in progress(進行中の仕事)」に、2019年6月6日付で投稿した第108回ILO総会の予定についての英文記事の抄訳です。