第108回ILO総会ハイレベルゲスト

第108回ILO総会初日:世界各地から駆けつけた多数のリーダーが演説

記者発表 | 2019/06/10
第108回ILO総会

 2019年6月10日にジュネーブで開幕した第108回に当たる創立100周年記念ILO総会には、日本を含む187加盟国から参加する6,000人近い政府、使用者、労働者の代表に加え、40人以上の国家元首・政府首脳級のハイレベルゲストが出席します。

 総会初日には11人のハイレベルゲストが特別演説を行いました。開会式で演説したスイスのアラン・ベルセ大統領マリア・フェルナンダ・エスピノサ・ガルセス第73回国連総会議長に続き、イタリア、ガーナ、ノルウェー、ネパール、南アフリカ、スウェーデン、トルコ、モロッコ、コートジボワールの国家元首・政府首脳級のゲストの演説が行われました。

 イタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領は、近代的な権利の多くが、就労の場所や職業と無関係にあらゆる人類の尊厳に向けてILOが絶えず尽くしてきた取り組みに根ざしていることを指摘しました。

 ガーナのナナ・アクフォ=アド大統領は、加盟諸国に向けて「勤労生活の質の改善、男女格差の縮小、気候変動と世界規模の不平等によって引き起こされた損害の回復、そしてより重要なこととして、誰も置き去りにしないことを保障する、より持続可能な未来のための責任の分担に向けて前途に存在する無数の機会」に取り組むことを呼びかけました。

 ノルウェーのアーナ・ソールベルグ首相は、ILOの功績として、100年間にわたって三者協力の擁護者として国際的な規制、労働者の権利と平等、競争と社会正義のための条件を築き上げてきたこと、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を全ての人に」という言葉を作り出したことを挙げました。

 ネパールのカドカ・プラサード・シャルマ・オリ首相は、今という時代において、「ILO創設の理想を掲げ、それがディーセント・ワーク、平等、社会正義、持続可能な未来といった価値の前進に引き続き通用するものであること」を示そうと呼びかけました。

 トルコのフアト・オクタイ副大統領は、「二つの世界大戦の傷を癒やし、利害関係者と共に経済と社会の困難が引き起こした社会の緊張に対処し、交渉を通じた合意の形成という重要な原則をもってより良い労働条件を支えてきたILOの功績は、その成功の歴史の中の里程標」と評価しました。

 モロッコのサアディ・ディン・エル・オトマニ首相は、「他の国同様モロッコも、この急速な変化とそれが仕事の世界にもたらすかもしれない結果、そして新たな就労形態の登場が非常に気がかりである」ことを挙げ、そういった理由から、「ILOがこのテーマに焦点を当てることを歓迎する」と述べました。

 コートジボワールのダニエル・カブラン・ダンカン副大統領は、「満足するに足る多くの根拠があり、それは仕事の世界に人間の顔を与えることを可能にしたものの、あらゆる人間の取り組みがそうであるように、何もかもが完璧というわけではない」と指摘して、「達成された成果を維持するためには監視の目を緩めないようにしなくてはならない」と説き、そういった理由から「社会契約を強化し、持続可能なディーセント・ワークを促進する努力を加速すること」をILOに求めました。

 事務局長報告として今総会の討議資料となっている『輝かしい仕事と未来』と題する報告書をまとめた仕事の未来世界委員会の共同委員長を務めた南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領とスウェーデンのステファン・ロヴェーン首相も駆けつけました。ラマポーザ大統領は、ネルソン・マンデラ元大統領が同国の大統領として民主的に選出される4年前に当たる25年前のほぼ同じ日に総会で演説したことを思い起こして、この登壇を「二重の栄誉」とし、引き続き4年間、ILOがその闘争を支えてくれたことに対し、「25年後の今再びここに立ち、ありがとうと申し上げたい」と演説しました。

 ロヴェーン首相は「本日の私たちの祝福の対象は、実際には単なる一つの組織、一つの大会、一つの日付などではなく、一つの運動なのです。第一次世界大戦の塹壕、工場や田畑、飢餓や極貧の悲惨な状態から這い上がり、前進してきた運動、『ILO』という3文字に象徴される一つの運動なのです。そして、この運動は今、未来に向けて歩を進めています」と述べました。

 ハイレベルゲストの演説は今後12日の午前中まで続き、再び翌週19~20日に行われます。この演説はライブ動画及び録画動画でご覧になれます。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。