労働安全衛生

全ロシア労働安全衛生週間でライダーILO事務局長が講演:安全衛生条約の批准を全加盟国に呼びかけ

記者発表 | 2019/04/23
全ロシア労働安全衛生週間で演説するライダーILO事務局長

 4月28日の労働安全衛生世界デーに先立ち、ロシアのソチ市で開かれた全ロシア労働安全衛生週間(4月22~26日)の会合に出席したガイ・ライダーILO事務局長は、全ILO加盟国に向けて労働安全衛生分野の条約批准を呼びかけ、「これは最初からILOの中心にある事項」と説明しました。

 ILO創立100周年を記念して「ロシアにおける労働安全衛生の未来-安全と予防・防止文化」と題する会合の戦略全体会議において、ライダー事務局長は23日に、国内外から集まった労働衛生の実務家、専門家、科学者、民間代表といった参加者に向けて、労働災害及び業務関連の疾病で命を落とす人の数は毎年世界全体で約300万人に達し、労働災害による負傷者も3億7,400万人に上ることを指摘し、「これは許容できない人的犠牲」と強く訴え、ロシアが労働法制の編纂を始めた1882年やILOが創立された1919年よりも労働安全衛生に焦点を当てる必要性が弱まったわけではないと説きました。

 労働安全衛生世界デーに向けて4月18日に発表された報告書『Safety and health at the heart of the future of work(仕事の未来の中心に位置する安全と健康・英語)』は、人工知能やバイオテクノロジー、ナノテクノロジーなどの科学技術やデジタル化から生まれてきた新たなリスクに警告を発し、ストレスが引き金となる心理社会的リスクを中心としたメンタルヘルス問題や非伝染性疾患の増加などに注意を喚起しています。ライダー事務局長は「時間と共に変わってきたのは労働条件だけでなく、安全と健康に対する危害の性格も同じ」と指摘した上で、この状況が今後も続くであろうことに注意を喚起して、「科学技術、人口動態、環境面における変革を起こすようなあらゆる変化が新しい仕事の世界を形作る中、健康と安全に対する新たなリスクを予測することがかつてないほど重要」になってきていることを強調しました。そして、こういった全ての課題に取り組む方法として「効果的な予防・防止戦略」を挙げ、この点で「政府及び労使の社会的パートナーの役割を強化することが必須」と訴えました。

 ILOの条約・勧告の半分近くが直接または間接的に労働安全衛生問題に関係しています。労働安全衛生を特に扱う基準は40本以上に上り、加えて40以上の実務規程が存在します。これらは当初は職場の特定のリスクに関する非常に狭い取り組みを扱ったものでしたが、次第に予防・防止に焦点を当てたものへと変わってきました。この点で、ライダー事務局長は、ロシアが昨年末、この地域で最も広く見られる職業上の危害の幾つかを扱った「1988年の建設業における安全健康条約(第167号)」の批准に踏み切ったことに対して感謝の意を表しました。

 事務局長はまた、今年1月に発表された仕事の未来世界委員会の報告書に言及し、人々を政策策定の中心に据えるという「仕事に対する人間中心の取り組み」の必要性を強調しました。さらに、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」、とりわけアジェンダを構成する17の持続可能な開発目標(SDGs)のうちで、全ての人に健康的な生活と福祉を確保することを目指す目標3と包摂的かつ持続可能な経済成長とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に関する目標8の達成における労働安全衛生の決定的な重要性を強く訴えました。


 以上はソチ発英文記者発表の抄訳です。