漁業労働条約(第188号)

タイがアジア初のILO漁業労働条約批准国に

記者発表 | 2019/01/30
批准書を寄託するタイのアドゥン・サンシンケオ労働大臣(左)

 1月初めの英国に続き、タイが1月30日に「2007年の漁業労働条約(第188号)」を批准し、この条約の14番目の批准国になりました。

 漁船に乗り組む漁業者の生活・労働条件の保護を目指す第188号条約は、労働安全衛生、船上及び陸上での医療、休息期間、書面による労働契約、社会保障による保護など、漁船上における労働に関連した拘束力ある要件を定めているだけでなく、船上の漁業者の暮らしが適切であるよう確保することも目指しています。

 タイは商業的漁業及び水産業の総輸出高が約60億ドルに達する世界有数の水産物輸出国です。漁業と水産加工業を合わせた就業者数は60万人(2017年)を超え、このうち30万2,000人が移民労働者として登録されています。漁業部門だけでも商業的漁船1万550隻近くに5万7,000人(2017年)を超える移民労働者が乗り組んでいます。

 ILOは2016年からタイで欧州連合(EU)の資金協力を受けて漁業及び水産加工業における許容できない労働形態の撲滅を目指す「船舶から陸上まで権利プロジェクト」を実施していますが、プロジェクトは引き続き、商業的漁業の水準引き上げに向けてタイ国政労使に支援を提供していきます。

 警察庁の次官でもあるアドゥン・サンシンケオ労働大臣は、批准書の寄託に際し、次のように述べています。「タイ政府による本条約の批准は、国内漁業の労働条件がILOの基準に適合することを確保するという強い政治的意思を反映しています。これは持続可能な開発目標に沿って、タイ国民のみならず移民労働者の労働保護水準も引き上げ、強制労働を撤廃するというタイの全面的な公約を強調するものであります」。

 批准書を受け取るに当たり、ガイ・ライダーILO事務局長は、漁業部門における人間らしく働きがいのある労働条件の確立に向けたタイの強い公約を高く評価し、この非常に重要な条約のアジア初の批准国となったことについて「地域に優れた模範」を示したと賞賛しました。そして、とりわけ100周年に際しての条約批准を加盟国に呼びかけていることから、他のアジア諸国がこの動きに続くことへの期待を表明しました。さらに、条約の実施段階に入るタイに対し、引き続きの支援と技術援助を約しました。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。