船員賃金小委員会

ILO委員会が船員の最低月額基本給を改定

記者発表 | 2018/11/21
合同海事委員会船員賃金小委員会(ジュネーブ・2018年11月19日)

 2018年11月19~20日にジュネーブのILO本部で開かれた合同海事委員会の船員賃金小委員会は、有能船員の最低月額基本給を改定する決議を採択して閉幕しました。決議は現行614ドルの有能船員の最低月額基本給または基本賃金を2019年7月1日付で618ドル、2020年1月1日付で625ドル、2021年1月1日付で641ドルと段階的に引き上げることを示しています。合計で4.5%の賃上げ率となります。

 ILOの中で唯一、産業別の基本賃金を設定するこの仕組みは「2006年の海上の労働に関する条約(改正)」に含まれている有能船員の最低月額基本給または基本賃金に関するB2.2.4.指針の次の規定に基づいたものです。「有能船員の一箇月の勤務に対する基本給又は基本賃金は、合同海事委員会又は他の機関であって国際労働機関の理事会によって権限を与えられたものが定期的に設定する額よりも低い額とすべきでない。」

 規定に基づき、採択された決議は来年3月に開かれる理事会の次の会期に提出されます。

 2013年8月20日に発効した「海上の労働に関する条約」は「船員の権利章典」とも呼ばれ、批准国は日本を含む89カ国に上り、その合計船腹量は世界全体の合計船腹量の91%に達しています。

 1920年に初めて開催された合同海事委員会は、ILO唯一の二者構成常設機関であり、船舶所有者と船員の代表で構成されています。

合同海事委員会初会合(1920年)

 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。