ILO100周年

ILO100周年記念ビジュアル・アイデンティティ発表/予定される主な記念行事

記者発表 | 2018/09/03
ILO100周年広報動画(英語)-第一次世界大戦が終わった1919年、政府、使用者、労働者が力を合わせ、社会正義を基礎として普遍的な平和の世界を築こうとの考えが生まれました。労働は商品ではなく、表現と結社の自由は持続的な進歩のために不可欠であり、一部の貧困は全体の繁栄にとって危険であるといった理念の下、ILOは100年間にわたって社会正義を前進させ、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を促進してきました。

◎ILO100周年記念ビジュアル・アイデンティティ

ILO100周年記念シンボルマーク

 ILOは2019年に迎える創立100周年を前に、新たなビジュアル・アイデンティティ(VI)として100周年記念シンボルマークを作成し、日本を含む世界各地の40余りの事務所で使用を開始しました。

 100周年記念シンボルマークは、伝統的なILOのロゴに過去と現在と未来を組み合わせたものとして、横に添えた100の数字は、仕事の未来に対して開かれた扉を象徴するように端が開かれています。数字の100の下に添えられた100周年記念キャッチフレーズは「社会正義を前進させ、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を促進する」というILOの中核的な使命を思い起こさせるものとして、社会正義とディーセント・ワークの二つの単語で構成されています。

 1919年の創立以来、ILOのシンボルマークは幾たびかの変遷を遂げてきました。

 1921年には最初のロゴとしてILOの印章が用いられました。 ILOの1921年のロゴ
 これに置き換わるものとして1938年に採用されたロゴは、政労使三者によって構成されるこの機関の構造を強調するものとして、黒地の三角形で白抜きのILOの文字を囲むものでした。 1938年に採用されたILOのロゴ
 1943~44年に、色を反転して白地に黒文字とし、文字を少し三角形にかけた形に変更されました。 1943~44年に採用されたILOのロゴ
 1968年に創立50周年を記念してロゴのデザインが新しくなりました。この機関の三者構造と仕事の世界を象徴するものとして、三つに分割された歯車が導入されました。ILOが国連ファミリーの一員であることを強調するものとして、歯車の周りには国連を象徴するオリーブの葉の冠が配置されました。 ILO創立50周年記念ロゴ
 1969年7月2日、1919~1969の年号を取り除いた同じエンブレムがILOの公式のロゴになりました。 現在のILOのロゴ
 1994年の創立75周年の際にはその年だけ新たなシンボルマークが用いられました。 ILO創立75周年記念ILOロゴ
 1995年以降もILOは1969年のロゴを使い続けています。これは創立100周年のシンボルマークにも組み込まれています。 現在のILOのロゴ

 ILOの創立100周年シンボルマークをご利用になるには公式の許可が必要です。このご利用や100周年関連の各種デザインに関しては、ILO文書・刊行物制作・印刷・配布部(Document and Publications Production, Printing and Distribution Branch - PRODOC)までご相談ください。

◎バインズILO副事務局長が語る:ILOにとっての里程標となる100周年

100周年記念事業の総責任者グレッグ・バインズILO副事務局長

 ILOが創立100周年を迎える2019年の幕開けまで間もなく100日を切ります。100周年記念事業を取り仕切るグレッグ・バインズILO副事務局長は、2019年が関係者すべてに記憶に残る経験を提供し、加盟国政労使のみならずILOの外の人々にも力強く肯定的なイメージを刻みつけることによって、この組織の歴史にとって極めて重要な里程標となることへの期待を示し、次のように抱負を語っています。

 創立100周年の記念すべき年は、最も古い国際機関の一つとしてその歴史を振り返り、1930年代の大恐慌や脱植民地化、共産主義国家であったポーランドにおける独立系労働組合「連帯」の創設、南アフリカにおける人種隔離政策のアパルトヘイトに対する勝利、そして今日の公正なグローバル化に向けた倫理的・生産的枠組みの構築に至るまで、歴史の節目節目でこの機関が果たしてきた数多くの業績を祝すと共に、仕事の世界で起こりつつある大きな変化と直面している課題を正直かつ批判的に見つめ、加盟国がこれに応え、最も効果的な仕事の世界を形成する方法に関して検討する機会となる予定です。そのようなまたとない機会を活用するものとして、ガイ・ライダーILO事務局長は100周年記念事業を立ち上げました。この一つである仕事の未来イニシアチブの下、仕事の世界を取り巻く諸課題について検討している仕事の未来世界委員会の報告書が来年1月に発表されますが、ILOでは同書が2019年を通じて加盟国やパートナーとの関わりや議論の基盤を提供することを期待しています。

 ILOは1919年に国際連盟と共に誕生しました。国際連合の前身である国際連盟の設立には相当の苦労が伴いましたが、国際連盟とはかなり異なる使命を掲げるILOは設立当初からフルパワーで活動に乗り出しました。第二次世界大戦後もILOは間もなく、国際的な舞台で再度脚光を浴びるようになりましたが、これには1944年に採択したフィラデルフィア宣言が大きく寄与しています。◇労働は、商品ではない、◇表現及び結社の自由は、不断の進歩のために欠くことができない、◇一部の貧困は、全体の繁栄にとって危険である、といった、宣言が掲げるこの機関の基礎となる根本原則は現在でも十分に通用します。

 この社会と仕事の未来を見通すに当たっても、フィラデルフィア宣言が提起する原則はかつてないほど通用するように思われます。仕事の未来イニシアチブの下、政府、使用者、労働者による仕事の未来に関する国内対話がこの2年間で110余り開かれました。世界は第四次産業革命に入りつつあるとも言われ、仕事の世界はかつてないほどの規模、速度、奥深さで変化しつつあります。仕事の未来に関する議論が技術変化だけに占められる危険がありますが、創造的な破壊がどこに行き着くかについてはまだ議論の余地があり、私たちの役割は社会に最も得になるように技術革新を管理することであると言えます。変化の推進要素としては、ほかにも作業・生産組織、グローバル化、気候変動、人口動態などを挙げることが出来ます。

 未来は予め定められたものではなく、ILOが目指す「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)がすべての人に実現した世界」は可能なのです。しかし、私たちはそれを単に擁護するだけでなく、変化の潮目を変えて、このような世界を実現させる必要があります。

◎ILO100周年:予定される主な記念行事

 ILOが創立100周年を迎える2019年にはこの組織の業績と人々の生活において果たしている役割に光を当てるため、様々な記念行事が世界中で行われる予定です。この機会にまた、次の100年に向けたILOの中核的な価値と理念の再確認も行われます。

 2年間に及ぶILO加盟国における仕事の未来に関する一連の国内対話のハイライトを飾るものとして、2019年の最初の大きな出来事は1月22日に予定されている仕事の未来世界委員会の報告書の発表です。世界委員会は国内対話の内容も考慮に入れた上で、すべての人に持続可能なディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会を提供する仕事の未来を達成する方法に関する掘り下げた議論を行っています。委員会の報告書は6月10~21日に開かれるILO100周年記念総会で検討されます。2019年の総会ではまた、仕事の世界における暴力とハラスメント(嫌がらせ)と戦うための画期的な新しい基準が採択されることも期待されます。

 1919年に開かれたパリ平和会議でILO憲章の草案が受諾された4月11日には、フィジーのスバから始め、ペルーのリマで閉幕する24時間世界旅行ライブイベントが4大陸24カ国にわたって開催されます。

 ILO憲章は1919年6月28日に署名されて第一次世界大戦を終結させたベルサイユ平和条約の一部となりましたが、これに合わせ、6月26~28日にはベルサイユ平和条約調印100周年を記念する特別イベントがパリで開催されます。また、11月24~29日は社会的保護週間として、ジュネーブのILO本部で「社会保障の100年:万民の保護に向けた道」をテーマとするイベントが行われる予定です。


 以上は次の3点の2018年9月3日付ジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。

 100周年関連のニュースやイベント、資料などの各種情報は今後、100周年記念特別サイト(英語)に掲載されます。図解物語「社会正義の基礎を敷設」と題する広報資料(英語)は、写真や動画などを用いてILO創設のきっかけと、社会正義を通じた平和の達成というその活動目標を解説しています。