第107回ILO総会

第107回ILO総会:平和は社会正義を伴ってはじめて可能と説くコロンビア大統領

記者発表 | 2018/06/01
第107回ILO総会で演説するコロンビアのサントス大統領(西語・英語字幕付)

 ジュネーブで開かれている第107回ILO総会において6月1日に特別演説を行ったコロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領はILO憲章の前文を言い換えて、永続する平和を達成するには社会正義の達成が必要と説いた上で、「より多くの仕事、より少ない貧困、より少ない不平等によって社会正義は達成される」とし、「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)は社会正義の柱」であると強調しました。

 50年以上に及ぶ左翼反政府団体との紛争を終結に導いた交渉を進めたことで2016年にノーベル平和賞を受賞したサントス大統領は、「平和構築を始めたばかりで、開発、繁栄、より多くの正義に向けた、困難でありながら希望がもてる道を歩んでいる国」の大統領として、自分は本日ここにやってきたと前おいた上で、平和を達成したコロンビアに今必要なのは、より多くの仕事の創出、貧困対策、不平等の縮小を通じてそれを社会正義に固定することと説明しました。

 ガイ・ライダーILO事務局長は、大統領の歓迎演説で、ILOの創立メンバーであるコロンビアとは「100年近く共に旅してきており」、これは「100年間の連帯」を意味するとした上で、残念ながら、その半分を同国は悲劇的な紛争に沈んで過ごしてきたことを指摘し、和平プロセスの強化に向かうこの国の1日がより明るく、平和と社会正義を伴ったものとなることへの願いを表明しました。そして、まだ数多くの課題が残ることに注意を喚起しつつ、ILOはコロンビアが国際労働規範を完全に尊重し、暴力の被害者に特別の注意を払いつつ、すべての人へのディーセント・ワークを伴った未来を達成できるよう同国と協働を続けることを約しました。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。