田口晶子ILO駐日代表メッセージ

日本協同組合連携機構(JCA)設立に際して

ニュース記事 | 2018/05/18

一般社団法人 日本協同組合連携機構(JCA)は、2018年4月1日、日本の協同組合17組織が集う「日本協同組合連絡協議会(JJC)」が一般社団法人JC総研を核として再編して誕生した組織です。ILOとJCAは、アフリカ協同組合リーダーの受け入れやイベントの共催などを通じて今後も密接に連携していきます。JCA日本協同組合連携機構設立にあたってのILO駐日代表・田口晶子のメッセージはこちらです。

国際労働機関(ILO)を代表し、日本協同組合連携機構(JCA)の発足を心からお祝い申し上げます。

今日、世界経済は好転しているものの、まだ十分な仕事が生み出されているわけではなく、根深い貧困や格差の拡大は続いています。加えて、急速な技術革新、人口動態の劇的な変化、気候変動の深刻な影響、グローバル化の進展など様々の要因により仕事の世界も大きな変革の時を迎えています。

ILOは1919年の設立当初より、組合員所有の原則に基づき「人」を大切にする協同組合活動が、ILOの使命である社会正義の実現と完全な雇用の実現に不可欠であることを認識してきました。重大な課題と変化に直面する今日、ILOは2019年の創設100周年を控え、「仕事の未来」のあり方など7つの課題に、協同組合を始めとする多くの関係機関と一緒に取り組んでいるところです。持続可能な開発目標(SDGs)8にも取り入れられたディーセント・ワーク(人間らしい働きがいのある仕事)そして社会的包摂の実現に向けて、協同組合が既存のビジネスモデルを補完また支えうる力強い選択肢であることの重要性を改めて認識しています。

2010年に開始した日本生活協同組合連合会/ILO共催のアフリカ協同組合指導者研修事業を通じて、ILOは日本の協同組合運動の数々の担い手と幅広く連携してきました。そして今回発足した日本協同組合連携機構と近しく協働できることは名誉なことであり大きな喜びでもあります。

社会正義、ディーセント・ワーク、そしてSDGsの実現に向けてこれから長きにわたり連携していくことを楽しみにしています。貴機構のご成功と発展を祈念して私からの祝辞といたします。

<参考> 日本協同組合連携機構(JCA)について》 こちらより