公正な人材募集・斡旋

移民労働者が悪辣な人材募集・斡旋業者を避ける助けになる評点サイト新設

記者発表 | 2018/04/11

 自分自身と家族のためにより良い生活を求めて移住する労働者は数百万人に上るものの、そのあまりにも多くが偽の仕事情報や低賃金、安全でない労働条件など、悪辣な人材募集・斡旋業者による偽りの約束に誘われ、時には強制労働その他の現代の奴隷形態に陥ってしまってさえいます。

 ILOは強制労働、人身取引の防止支援などを通じて公正な人材募集・斡旋を世界的に推進しています。国際労働組合総連合(ITUC)はこの度、この活動の支援を受けて、インターネット上に新たなプラットフォームを開設しました。ネパール、フィリピン、インドネシアの数千の業者を掲載するこの「人材募集・斡旋アドバイザー・プラットフォーム」は、送出国及び受入国の人材募集・斡旋業者について利用者同士が評価情報を共有することによって移民労働者を不正な雇用慣行から保護する助けになることを目指しています。利用者はプラットフォーム上で自身の経験を紹介し、業者を評価し、移民労働者の権利について学ぶことができます。用いられている言語は現在、英語、インドネシア語、ネパール語、タガログ語の4ヵ国語ですが、選択肢は今後増える予定です。

 プラットフォームには各国政府から提供された認可業者の一覧が掲載され、対象国の労働組合と市民団体のネットワークが労働者に到達することによってこのプラットフォームの持続可能性確保に努めます。このシステムは最終的に、ILOの「公正な人材募集・斡旋のための一般原則及び実務指針」をもとにした公正な人材募集・斡旋プロセスに従う業者を推進し、認可業者の行いに関する有用なフィードバックを政府に提供することによって伝統的な監視システムを補足するものとして用いてもらうことを意図しています。

 募集・斡旋段階の移民労働者は不正行為に弱く、典型的なこととして、公正な人材募集・斡旋を確保するカギを握る原則の一つとしてILOの原則にも掲げられていますが、仕事を得るために斡旋手数料を支払うべきでないことを知らない労働者も多くいます。シャラン・バロウITUC書記長は、悪辣な業者が政府の法執行の欠如や権利についての労働者の単なる無知を悪用していることを指摘して、「今こそ労働者の手に力を取り戻し、業者を評価して約束された仕事や賃金が提供されたか否かを示すべき時」と訴えています。

 ILOのアリックス・ナスリ技術専門官は、「公正な人材募集・斡旋は労働者が強制労働に至るリスクを劇的に減らすこと」は既知の事実であることを指摘して、移民労働者が外国で働く旅に出る計画を立てる時にこのプラットフォームが重要な選択を行う助けになる可能性を挙げ、プラットフォームが本当に移民の助けになるためには十分な数の評価が必要であるため、「他の人たちが学べるように経験を共有してくれること」を労働者らに強く呼びかけています。

 ITUCと国際使用者連盟(IOE)はまた、現代の奴隷制の終焉を目指す「自由のための50カ国(50 for Freedom)第29号条約議定書批准促進キャンペーン」をILOと共に展開しています。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。