社会的保護

世界の皆様へのILOからのお願い:社会的保護の土台を支える募金を募っています

記者発表 | 2017/12/19

 今日、世界人口の55%に社会的保護の機会が閉ざされています。ILOは各国の皆国民社会的保護の達成を支援することによって社会的保護から排除されている数百万の人々に2030年までに保護をもたらすことを目指して2016年に「すべての人への社会的保護の土台の構築旗艦的事業計画」を開始しました。事業計画は既に21の対象国中14カ国で目に見える結果を達成していますが、この重要な活動を続けるには3,000万ドルの資金不足を乗り越える必要があります。

 そこで、ILOはベルギーのボードゥアン国王財団と協力して「社会的保護の土台基金」を設け、初めて一般の方々からの募金を募ることとしました。頂いた募金の最大91.5%までが、今日、基本的な社会保障給付の受給対象から除外されている約4億人の暮らしを変える可能性がある持続可能な社会的保護制度の構築に直接用いられます。すべての労働者に社会的保護による医療保健を広げることを目指して展開されているカンボジアにおけるILOの事業計画だけでも110万世帯に利益をもたらすことが見込まれます。

 イサベル・オルティスILO社会的保護局長は次のように語っています。「私たちのほとんどが享受している社会的保護は当然のものと見られることが多いものの、これはいまだにあまりにも少ない人々の特権に留まっています。社会的保護の機会は、人々の暮らしを変えることができます」。

 その一例として、モザンビークの小さな村に住むレジーナさんの例を挙げることができます。夫を失い、目の不自由な娘と4人の孫と一緒に暮らすレジーナさんは、かつては近所の人々や友人の慈善に頼って生きていましたが、老齢年金に加入して2010年から国が後援する社会年金を受け取るようになってから暮らしが変わりました。毎月の給付を用いて今ではお米や砂糖、塩を自分で買い、病院に行く交通費も賄い、一緒に暮らす孫の面倒も見ています。「年金を受け取る日は、私はいっぱしの人間よ」とレジーナさんは誇らしげに語っています。この例は、社会的保護をすべての人に広げるのは可能であることを示しています。

モザンビークの基礎的社会的保護:レジーナさんの場合(ポルトガル語・英語字幕付)

 あなたの今日の募金が数百万人の暮らしの変化に直結します。財団への募金はオンラインで行うこともできます(英語)


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。