第4回児童労働の持続的な撤廃世界会議

第4回児童労働の持続的な撤廃世界会議閉幕:児童労働及び強制労働と戦う努力の倍増に国際社会が合意

記者発表 | 2017/11/16

 第4回児童労働世界会議として、アルゼンチン政府がILOの支援を受けて2017年11月14日から同国の首都ブエノスアイレスで開催していた「児童労働の持続的な撤廃世界会議」は、2025年までに児童労働を、2030年までに強制労働を終結させる取り組みの歩みを速め、世界中の若者により多くの働きがいのある人間らしい就業機会を生み出す行動を呼びかけるブエノスアイレス宣言を採択して16日に閉幕しました。

 「児童労働、とりわけその最悪の形態のもの、そして強制労働は、人権及び人間の尊厳の深刻な侵害、これらへの攻撃であり」、「貧困、不平等、差別、社会的排除、教育機会の欠如の原因でも結果でもある」と記す宣言は、最悪の形態の児童労働に従事する7,300万人を含む推定1億5,200万人の児童労働者、2,500万人の強制労働被害者(うち400万人が子ども)、少なくとも7,100万人の若者失業者の存在を想起した上で、「子どもと青少年の最善の利益に対処する」必要性に光を当て、人権並びに就労に係わる基本的な原則及び権利の尊重を約し、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を生む、一貫性のある調整が図られた国内政策と政労使三者による社会対話の重要性を強調しています。そして、一連の原則に加え、1)政策と統治、2)知識、データ、監督、3)パートナーシップと革新(イノベーション)の3部構成で、政府、社会的パートナーたる労使、市民団体、利害関係者が採用すべき活動を記しています。この出発点は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に示されているように、2025年までに児童労働、2030年までに強制労働を撤廃するための国際的な公約を批准することです。また、児童労働と強制労働に係わる2030アジェンダの目標の達成を目指して設けられた地球規模の連携行動である「8.7連合(Alliance 8.7)」に対する支持も表明しています。

 会議には全体会合や特定テーマに関するパネル討議、特別イベントにおける講演者約250人を含む、3,000人以上の政府、使用者、労働者、市民社会、地域機関、国際機関の代表者が参加し、各国代表団に対して行われた、強制労働・児童労働対策を加速する具体的な措置についての公約の呼びかけに応えて100個余りの取り組みの誓約が提出されました。

 ハイレベル・パネル討議に参加したガイ・ライダーILO事務局長は、「私たちは何をすべきか知っている以上、行動を起こさないことを正当化できる口実はない」と説いて、「児童労働も強制労働もない仕事の未来を確保するのは私たちの義務」と訴えました。また、過去20年間で相当の進歩が達成されて児童労働が減ったことを認めつつも、なおも1億5,200万人の児童労働者が存在することに注意を喚起して、今こそ「より多くのことを、よりうまく」行うべき時と説き、ブエノスアイレスが、「許容できないものを許容しないような措置を国際社会が講じる場」となることへの期待を示しました。

 第4回児童労働の持続的な撤廃世界会議の議長はアルゼンチンのホルヘ・トリアカ労働・雇用・社会保障大臣が務めました。


 以上はブエノスアイレス発英文記者発表の抄訳です。