第21回労働安全衛生世界会議(シンガポール・2017年9月3~6日)

就労に係わる安全と健康に関する世界的な連合を呼びかけるライダーILO事務局長

記者発表 | 2017/09/04
第21回労働安全衛生世界会議の開会式で挨拶するガイ・ライダーILO事務局長

 2017年9月3日にシンガポールで開幕した第21回労働安全衛生世界会議の開会式で、3,500人近い参加者に向けて挨拶したガイ・ライダーILO事務局長は、労働安全衛生に十分に投資しなかった場合の世界経済に対する影響は最貧国130カ国の国内総生産(GDP)合計額にほぼ等しいことに注意を喚起して、従来のものに加えて新たに登場してきた労働安全衛生上の懸念事項に適切に対処しなかった場合に世界が負担するコストについてのますます増大する証拠体系、そして持続可能な開発にとっての労働安全衛生の重要性を指し示しました。さらに、労働安全衛生上の幾つかの課題は、グローバルな解決策を要請するグローバルな課題であるとの認識の広がりを挙げ、フィンランドのピルコ・マッティラ労働大臣が仕事の未来に関するフォーラムで提案したように、ILOはこの課題に対処するために主なパートナーと世界的な連合を形成する用意があることを明らかにしました。

 ILOの支援を受けて、フィンランド、シンガポール、欧州連合(EU)、国際労働衛生委員会(ICOH)が導き出した新しい推計値によれば、業務関連の負傷によって発生する年間コストはGDP世界合計の3.94%に相当する2.99兆ドルに達するとされます。これは業務関連の負傷や疾病によって毎年278万人の労働者が命を落とし続けていることを意味しますが、このうち240万人が業務関連疾病によるものと見られます。

 労働安全衛生世界会議はILOと国際社会保障協会(ISSA)が共催して3年ごとに開かれています。今回はシンガポール労働力省が受入団体となって、2017年9月3~6日に開催されます。ILOは仕事の世界にとっての主な課題と労働者の安全と健康に対するその影響といった問題を取り上げ、◇信頼のおける労働安全衛生データの必要性、◇グローバル・サプライチェーン(世界的供給網)における労働安全衛生の改善、◇労働安全衛生に関するデータ、知見、専門知識を世界的に交換する仕組みの形成、◇各国における先行対策的な労働安全衛生法令等遵守戦略の醸成などに関するシンポジウムや専門部会に参加します。ライダー事務局長は、「仕事の未来がどのように形成されるかは、当然ながら、若者世代と次の世代に最大の影響を与えることになるため、この世代は労働安全衛生に関するものを含み、このプロセスで発言力を持つ必要がある」と説いて、こういった課題に取り組む上での鍵を握っているのは世界中の若者の関与であることを指摘しました。

若者会議参加者に囲まれるガイ・ライダーILO事務局長

 ILOの労働安全衛生分野の中心的な事業計画である労働安全衛生グローバル予防行動(GAP)計画の中心的な柱である「若者と労働安全衛生」は今回の会議の重要なテーマの一つでもあります。今年新たに労働市場に参加する4,000万人の若者は、かつてないほど教育水準が高い世代であり、「私たちはこの人口ボーナスを活用し、若者の創造力と潜在力を解き放たなくてはならない」とライダー事務局長は提案しています。

 今回の会議に並行して、29カ国以上から約125人の若者が参加する若者会議が開かれています。職場で負傷する確率が高い若年労働者の労働安全衛生促進を目指すILOの「安全で健康的な労働者世代の構築(SafeYouth@Work)プロジェクト」の一環として開かれるこの会議の目的は、若年労働者が直面している職場における安全衛生に係わる相当の課題に取り組む労働安全衛生擁護者となる若者軍団を構築することにあり、若者の労働条件改善に向けて対象を定めた国別及び地域別の政労使の取り組みのための典型モデルの形成を目指します。

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 以上はシンガポール発英文記者発表の抄訳です。