ＳＹＢセミナーのグループワーク

　ＩＬＯは雇用創出戦略の一環として、小規模事業の開業、事業改善を支援する企業経営研修事業として1980年代に「開業・事業改善（Start and Improve Your Business - SIYB）計画」を開始しました。このたび発表された2011～15年のＳＩＹＢグローバル追跡調査によれば、この計画がこれまでに研修を提供した起業家の卵は世界全体で1,500万人以上に上り、900万人分近い雇用創出に結びついたことが明らかになりました。

　この研修は新興国を中心に、より多くのより良い雇用を創出する戦略の一環として小規模事業の設立・育成を支援することに重点を置いています。最大の市場は中国で、これに南アジア、東アジア太平洋、サハラ以南アフリカが続きます。

　今回の調査からは、1990年代初め以降のこの事業計画の急速な世界的拡大が示されています。2015年末までにＳＩＹＢ計画は世界100カ国以上の3,340近いパートナー機関で380人のマスター指導員と６万4,740人の指導員に研修を提供しました。この指導員が指導した研修生の総数は1,500万人に達すると見られますが、このうち1,050万人が2011～15年の５年間の研修生で、これは1990年代初め～2010年までを対象とした過去の追跡調査に記される到達者数450万人の２倍以上に当たります。報告書は研修コースによって創出された新規事業は少なくとも265万件に達し、既存事業の４割が事業拡大を果たしたことを記しています。

　ＳＩＹＢ計画を担当するＩＬＯ企業局中小企業班のプラナチ・メータ専門官はＳＩＹＢグローバル追跡調査が開業と雇用創出における相当の業績を示していることを報告して、前に進むに当たっては、指導員が個別企業のニーズに応えるように事業支援サービスを特別にあつらえ、財政的な持続可能性を確保するためにサービス料を請求するような、より市場システムに則ったサービス提供手法を導入することによってこの成果を固めていく計画を示しています。また、起業家のニーズには動きがあるために、ＳＩＹＢ計画としては、気候変動の課題に取り組む、よりグリーンな起業家精神モデルを推進すると同時に高成長企業やオンライン・ビジネスの需要に応える追加ツールの導入を計画していることを明らかにしています。

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　以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。