児童労働反対世界デー

児童労働反対世界デー(6月12日):2017年のテーマは紛争と災害における児童労働からの子どもの保護

記者発表 | 2017/06/04

 2017年の児童労働反対世界デー(6月12日)は、紛争と災害が児童労働に与える影響に焦点を当てます。生計手段が破壊され、基礎的サービスが失われ、人々が故郷からの避難を余儀なくされる場合がある紛争や災害時には、家族全体の脆弱性が高まりますが、しばしば子どもが払う代償が最も高くなります。世界全体で1億6,800万人を数える児童労働者の多くが被災地や戦災地で暮らしています。

 2016年に開かれた政労使三者構成の会議で採択され、理事会で承認された「難民その他の移動を強いられた人々の労働市場へのアクセスに関する指導原則」は、児童労働の防止・撲滅に向けた措置を講じることをILO加盟国政労使に呼びかけています。現在ジュネーブで開かれている第106回ILO総会で「1944年の雇用(戦時より平時への過渡期)勧告(第71号)」を改正する新たな勧告として採択が検討されている「平和と強靱性のための雇用とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に関する勧告」も、紛争や災害によって引き起こされるかそれによって状況が悪化した児童労働に対する具体的な行動を呼びかけています。

 ILOは被災国や戦災国で、政府、労使団体、人道機関と協力して、児童労働の防止や児童労働からの子どもの救出と教育機会の提供に向けて活動しています。就労に係わる基本的な原則と権利を推進する統合的な取り組みを用いて、ILOは武装勢力や武装集団と関わっていた子どもに特に焦点を当てて、紛争後の状況下における児童労働の防止と経済再統合の提供に向けた具体的なツールを作成しています。また、他機関と密接に協力して非常事態時における児童労働の問題にも取り組んでいます。ILOが国際非政府組織(NGO)のプラン・インターナショナルと共同議長を務める「人道活動における子どもの保護のための連合」の児童労働タスクフォースが2016年に発表した「非常事態下における児童労働者の保護ニーズを支える機関間手引き」は、人道活動従事者を対象に、子どもを児童労働から保護するための手引きを示しています。「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が定める持続可能な開発目標のターゲット8.7は、強制労働、現代の奴隷制、人身取引に終止符を打ち、2025年までにあらゆる形態の児童労働を終結させることを世界に呼びかけており、ILOはこの達成に向けた地球規模の連携行動である「8.7連合」に加わっていますが、連合の六つの活動グループの一つとして、危機下におけるこういった問題への取り組みを専門に扱うものが設けられています。

 現在、187のILO加盟国中169カ国が「1973年の最低年齢条約(第138号)」、180カ国が「1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)」を批准していますが、喜ばしいことに最近インドがこの二つの条約の批准を決定したことにより、条約が保護する子どもの数が1.2倍に増えることになります。

 6月12日の世界デーを記念してローマで開かれる国連食糧農業機関(FAO)のイベントを始め、世界各地で25以上のイベントが開かれます。ILO総会会期中のジュネーブではガイ・ライダーILO事務局長や他の国連機関、労使団体代表も出席して、当日6月12日に国連欧州本部において開かれるイベントにおいて、レバノンの学生による証言や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)サポーターによる詩の朗読、ジュネーブの学童やコンゴ民主共和国、ミャンマー、シリア、ウガンダの子どもたちのアピールが行われます。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。なお、世界デーのウェブページでは、ジュネーブにおけるイベント模様の動画やスライドショー、世界デーのテーマに沿って紛争や災害が子どもを児童労働に追いやる現状を示す広報動画、このテーマについての専門家らの談話動画、世界デーのポスターとパンフレットなど、様々な広報資料・関連情報が入手できます。