現代奴隷の世界推計

ILOとウォーク・フリー財団が現代の奴隷の世界的な規模を協同で推定

記者発表 | 2017/03/16

 国連の持続可能な開発目標のターゲット8.7の下、国際社会は、「強制労働の根絶、現代の奴隷制と人身売買の終結に向けた即時の効果的な措置を実施し、児童兵士の募集と使用を含む最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃を確保し、2025年までにあらゆる形態の児童労働に終止符を打つ」ことを約しています。この目標に向けた歩みを加速させ、知識を共有し、革新的な取り組みを推進し、資金のてこ入れを図ることによってこの野心的な企ての達成を手助けすることを目指し、世界の利害関係者の努力を整合させるパートナーシップとして、8.7連合が誕生しました。

 ILOは8.7連合に参加する国際人権団体のウォーク・フリー財団と共に、近代の奴隷制の世界的な規模を測定する調査研究を開始します。両機関はターゲット8.7に向けた進捗状況を測定する基盤となる近代の奴隷制についての統一した一つの世界全体の推計値を導き出すために協働することを2017年3月16日に発表しました。作業には国際移住機関(IOM)も協力し、危機下の移民に関する調査研究に対する支援に加え、IOMが保有する被害者支援グローバル・データベースからのデータ提供も行われます。地域別、年齢集団別、性別などの内訳を伴うデータは、直接面談手法によって集められる予定です。

 50カ国以上から得られた画期的な調査データを含む両機関のデータを合わせることによって現代の奴隷制についての過去最大のデータ集合が得られます。ウォーク・フリー財団の創設者であるアンドリュー・フォレスト氏は、人身取引被害者の経験に関する包括的なデータ集合と組み合わせることによって、両機関の調査研究はこの分野に飛躍的な進展をもたらすことへの期待を表明し、「世界の政府、企業、労働組合、市民社会が奴隷制の根絶に必要な情報を備えるよう確保するために、現代の奴隷制の規模を理解する」という共通の目的のために皆が活動していることを報告しています。

 ガイ・ライダーILO事務局長は、ILO、ウォーク・フリー財団、IOM、そして8.7連合のその他のパートナーは、ターゲット8.7の達成という目標に向けて足並みを揃えていることを報告し、この推定値について、「現代の奴隷制、強制労働、人身取引、児童労働に対する闘いにおいて、政策、介入活動、資金・資源の標的を効果的に絞るのに必要不可欠であるところの重要な調査研究の企て」と評価しています。

 現代の奴隷制についての2017年版の世界推計は、2017年版の児童労働世界推計と共に、2017年11月14~16日にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれる「第4回持続的児童労働撤廃世界会議」に提出されます。ターゲット8.7の枠内で開かれるこの会議は、今回初めて児童労働に加えて強制労働の問題も扱い、その観点から若者の良質の就労の問題も取り上げます。

 現代の奴隷制を定義した国際文書は現在のところありません。ILOとウォーク・フリー財団の推定作業では、ILOの強制労働条約(第29号)に定義される強制労働と強制結婚の二つについてデータ収集を行います。ILOは2005年と2012年の過去2回、強制労働に関する推定値を発表しており、一方、ウォーク・フリー財団は現代の奴隷の規模を国別及び世界合計で推定するグローバル奴隷指数を出していますが、協働事業は今回が初めてです。今後は4年ごとに発表していくことが予定されています。

 この推定値は8.7連合の成果物として、まず第72回国連総会に提出された後、第4回持続的児童労働撤廃世界会議に提出されます。

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 以上は就労基本原則・権利部によるジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。