ILO100周年記念イニシアチブ

ILOグローバル対話:私たちの望む仕事の未来を形成するカギを握るのは社会対話

記者発表 | 2017/04/07
私たちの望む仕事の未来グローバル対話(2017年4月6~7日・於ジュネーブのILO本部)パネル討議模様

 2017年4月6~7日にジュネーブのILO本部で開かれた仕事の未来に関する記念碑的イベントは、政府と社会的パートナーである労使の間の社会対話を、誰も置き去りにしない仕事の世界構築のカギを握る手段とすることを国際社会に強く呼びかけて閉幕しました。2日間にわたる議論を総括して、ガイ・ライダーILO事務局長は、「仕事の未来は人間性や社会正義、平和といった考慮事項に想を得るべきであり、そうでなかったとしたら、私たちは暗い場所、危険な場所へと向かってしまうことだろう」と訴えました。そして、「今必要なのは、思考を結果に、具体的な成果へと変えること」として、自分たちの仕事に未来があるのかと悩んでいる若者の懸念に対処する必要性を指摘しました。

 「私たちの望む仕事の未来グローバル対話」には、世界各地から集った、主導的な経済学者、学識者、政府及び労使団体の代表700人以上に加え、インターネットやソーシャルメディアを通じた数千人規模の参加者があり、仕事の世界を席巻しつつある奥深い変化について話し合いがもたれました。基調講演を行った英国ウォーリック大学のロバート・スキデルスキー教授は「私たちは全てを市場に任せるわけにはいかない。私たちは革新を止めることはできないが、管理することはできる」と説いて、仕事の未来に適応するプロセスの調和を図るためには国際的な解決策が必要と指摘しました。若者のための仕事の未来を形成する方法を検討した特別会議では、学校から仕事への移行や、仕事の世界の組織、その規制に特に重点が置かれました。

開会式ハイライト(英語)

 ライダー事務局長はまた、仕事の未来はグローバルな対応がふさわしいグローバルな問題であることに注意を喚起する一方で、187のILO加盟国の多様な状況を考慮に入れる必要性と経験交流の重要性にも言及しました。さらに、ILOの社会的目標を維持すると同時に革新と発展を促進する必要性も強調しました。

 2019年に創立100周年を迎えるILOは、技術革新や仕事・生産組織、グローバル化、気候変動、人の移動と人口動態などのかつてないほどの変化の推進要素をより良く理解し、仕事の未来を探究する、より幅広い事業として100周年記念イニシアチブを進めていますが、今回のグローバル対話もこの一環に位置づけられます。このイニシアチブはこういった全ての問題に関して仕事の世界の主な関係者の意見を幅広く集めることを目指しています。既に167カ国以上がイニシアチブに参加し、うち107カ国で国内対話や地域対話が開かれています。日本でも来る5月12日にガイ・ライダーILO事務局長の参加も得て、仕事の未来に関するフォーラムが開かれます。各地で開かれたイベントの結論は、今年後半に設立される「仕事の未来ハイレベル世界委員会」の議論に資するものとなります。委員会の報告書は2019年に開かれる100周年記念ILO総会の討議資料となります。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。

私たちの望む仕事の未来グローバル対話ハイライト(英語)