ノーベル平和賞

ILOがノーベル平和賞受賞者世界サミットに参加:平和のカギは雇用

記者発表 | 2017/02/03
第16回ノーベル平和賞受賞者世界サミットにおけるサラサールILO中南米・カリブ総局長 © UNO Colombia

 2017年2月2~5日にコロンビアの首都ボゴタで開かれた第16回ノーベル平和賞受賞者世界サミットにILOを代表して参加したホセ・マヌエル・サラサール中南米・カリブ総局長は、「仕事と平和は直接結びついている」として、とりわけ紛争後の状況下でより多くのより良い仕事を創出する施策が必要なことを説明しました。そして、「過度に多くの失業者、不完全就業者、不安定な労働条件が見られる社会では、緊張と好戦性も高くなる」と説いて、平和の社会的な持続可能性という課題の大きさに光を当て、その目標を達成するカギは雇用が握っていることを強調しました。

 ILOが創立50周年の1969年にノーベル平和賞を受賞した際、選考を行ったノルウェー委員会は、ILOの今後の中心的な業務は、「この新しい世界が社会正義を基礎としたものとなるよう確保すること、つまり、『平和を望むなば、正義を培え』というジュネーブにある碑文の指令を満足するもの」となるであろうことを指摘していますが、「平和と民間セクター:平和、雇用、機会」をテーマとするパネル討議に参加したサラサール総局長は、紛争後の状況下では、「生産と生産性の未来がより良いものでない限り、より良い仕事の未来を語ることはできない」ことに注意を喚起しました。ILOはまた、「若者と仕事の未来」に関する特別発表を行い、2016年に18.3%の高さに達した中南米・カリブの若年失業率に取り組む必要性などを指摘しました。

 サミットには2016年にノーベル平和層を受賞したコロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領も出席し、開会の辞を述べました。

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 以上はボゴタ発英文記者発表の抄訳です。