若者の就労

若者の就労という課題に取り組む具体的な行動を中南米に呼びかけるILO

記者発表 | 2016/05/03

 今年10月末にコロンビアのカルタヘナ市で開かれる第25回イベロアメリカ・サミットは「若者、企業家精神、教育」をテーマとしていますが、その準備会合として5月2~3日に同市で開かれている第9回イベロアメリカ労働大臣会合にはガイ・ライダーILO事務局長も出席しています。会合の開会式においてライダー事務局長は、22カ国の代表を前に、イベロアメリカ全体で失業中の若者は約800万人に達し、仕事に就いている場合も6割がインフォーマル(非公式)な仕事であることを指摘して、若者の信頼感喪失という大きな課題に取り組むには革新的な解決策が必要であるとして、「一般的な解決策から1段階上げて、具体的な事業計画」に移行することを説き、若者の就労問題に取り組む具体的な行動を呼びかけました。

 2日間の公式訪問中に、ライダー事務局長はフアン・マヌエル・サントス大統領をはじめとした、コロンビアの政府及び労使団体の代表とも会合を持ちました。大統領は2日に行われた事務局長との会談後に、若者が良質でフォーマル(公式)な仕事に就く機会を促進するプロホベン(若者就労促進)法を裁可しました。この法案は労働市場に参加する者が軍事カードを保有していることを求める要件を撤廃し、農村の若者の就労のための行動計画の実行に加え、使用者に若者を採用する新たなインセンティブを提供するものとなっています。ライダー事務局長はこの新たな法律文書について、若者の就労を促進する具体的な措置に基づく戦略の好例と評価しています。

 ライダー事務局長は大臣会合の一環として開かれた「仕事の未来フォーラム」にも出席し、仕事の世界のかつてないほどの変化の過程の中で若者の就労危機をとらえる必要があるとして、これは革新的な解決策を要することに注意を喚起しました。そして、世界は変化するとしても最終的に求められているものは変わらず、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会と人生設計が可能な状態であるとして、歓心を買うことではなく機会を提供することに注力すべきと訴えました。

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 以上はカルタヘナ発英文記者発表の抄訳です。