パリ気候変動協定

世界が圧倒的に支持する気候変動に関する行動の加速化

記者発表 | 2016/04/22
パリ気候変動協定署名式典開会式

 4月22日はアースデーですが、ニューヨークの国連本部では昨年12月に開かれた国連気候変動条約第21回締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定の署名式典が開かれました。今回の署名によって協定の批准国には、有害な排出を止め、この惑星を保護する測定可能で具体的な行動を取る法的義務が生じます。協定は世界の温室効果ガス排出量の55%を占める55カ国以上の批准を得た30日後に発効します。

 気候変動に緊急に取り組み、人々、社会、経済に対してますます破壊的になる効果を緩和する幅広い行動を取ることに世界的な取り組みの焦点を当て、勢いを生むことを目的として、各国政府、国連諸機関、労使団体、市民社会や民間部門からの参加も得て開かれた式典で開会挨拶を行った潘基文国連事務総長は、貧困根絶、環境に優しいグリーン・ジョブの創出、飢餓対策、不安定性の防止、女性や少女の生活改善を助ける可能性がある気候関連活動は「負担ではなく、多くの利益を提供することを忘れないようにしよう」と呼びかけ、気候変動に関するパリ協定を未来との新たな盟約に位置づけました。ILOを代表して挨拶したジルベール・ウングボ現地業務・パートナーシップ担当副事務局長は、気候変動を弱められなかった場合、基盤構造の損害は悪化し、企業活動は混乱し、仕事と生計手段の破壊が未曾有の規模で発生する可能性を指摘し、気候変動が経済繁栄や社会進歩に対して提示する大きなリスクに注意を促して緊急の行動を呼びかけました。そして、気候変動に対する政策対応は、労使、政府、市民社会の参加と合意を得て検討・実行された場合、より多くの情報が投入され、より安定し、実行が容易になり、あらゆる規模の企業や労働者、そして広く社会一般により多くの利益をもたらすであろうと唱えました。

 パリ協定で認められた重要な要素として、「各国が定める開発優先事項に従ったディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)及び良質の仕事の創出並びに労働力の公正な移行」という至上命題を挙げることができます。気候変動と雇用は調整を図った対応を必要とする相互に関連した課題を提示するとの認識は、雇用創出、環境の持続可能性の後押し、社会正義の促進を通じて労働市場が気候関連活動に大いに寄与できることを示しています。新たに合意された地球規模の開発ビジョンで認められているこのつながりに光を当てて、ガイ・ライダーILO事務局長は、持続可能な開発目標、パリ協定、そして「ディーセント・ワークをすべての人へ」というILOが掲げる目標を手にした今こそ、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が示す、経済成長、環境保護、社会正義が相互に支え合い、同時に追求されるところの、人々、惑星、繁栄のための行動計画を共に追求できると語っています。

 ILOはグリーン経済が秘める雇用潜在力の規模と範囲に関し、少なくとも世界の労働力の半数に当たる15億人が経済グリーン化の影響を受ける一方で、低炭素経済への移行は建設、農業、旅行観光業、廃棄物管理といった産業部門に最大6,000万人分の仕事を新たに生み出す可能性があると見ています。各国のグリーン経済戦略を求める声の高まりを受け、ILOは国連環境計画(UNEP)など複数の国連機関と「グリーン経済に関する行動のためのパートナーシップ(PAGE)」を立ち上げました。PAGEは現在、世界12カ国でグリーン経済政策の策定・採用支援、国内パートナーのグリーン経済イニシアチブ実行能力の強化、各種ツール・研修プログラム利用機会の提供、データ収集、各国レベルの実行支援に向けたグリーン経済に関する知識の創出・共有を手助けしています。

 ILOは2019年の創立100周年に向けて立ち上げた七つの記念事業の一つとして、2013年にグリーン・イニシアチブを開始しました。世界の行動主体が来たる移行の課題と機会をより良く理解する力を備え、この変動の管理において演じなくてはならない積極的な役割を引き受けるのを助けることを目的とするこのイニシアチブの下、ILOは全事務局レベルで持続可能な低炭素の未来に向かう公正な移行を管理する知識、政策助言、ツールの大幅な拡充を図っています。このイニシアチブはまた、経済グリーン化における政策策定の包括的な枠組みとして用いてもらうことを意図して2015年にILOで採択された、環境面から見て持続可能な経済及び社会に向けた公正な移行のための指針に実際的な効果を与える助けになることが期待されます。

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 以上はILO国連事務所によるニューヨーク発英文記者発表の抄訳です。