共同声明:LGBTI

LGBTIの人々に対する暴力と差別の根絶を12国連機関が共同で呼びかけ

記者発表 | 2015/09/29

 LGBTIと総称される同性愛者、両性愛者、トランスジェンダー(性同一性障害等生来の性と自らの性別意識が同一でない人々)、インターセックス(両性の特徴を持って生まれてきた人々)の人々とその家族は、周囲からそのように見られている場合も含め、幅広い人権侵害に直面しています。殺人や暴行、拉致、性的暴力など身体的・精神的暴力の被害、体制による拷問や不当処遇も広く記録されており、合意があっても同性間の性的関係を処罰する法が存在する国はいまだに世界76カ国に及び、子どもに対するいじめや退学処分なども含み、様々な差別や排斥を受けています。

 「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が9月25日に国連で採択されたことを受けて、9月29日にニューヨークの国連本部で、日本など17カ国、欧州連合(EU)などの機関が参加するハイレベルLGBTコアグループが主催してLGBTIの人々が直面している課題について人々の意識を高め、2015年以降の開発課題の観点からこれらの人々の平等と包摂に光を当てることを目指したイベントが開催されました。これに合わせて同日、ILOや国連開発計画(UNDP)などを含む12国連機関がLGBTIの人々に対する暴力と差別をなくす緊急の行動を各国に呼びかける共同声明を発表しました。

 声明は、LGBTIの人々の人権を擁護し、暴力や差別的な法・慣行などから守らないことは重大な国際人権法違反に当たり、経済成長やディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)、そして持続可能な開発目標の達成に向けた歩みに対する悪影響など、社会に奥深い影響を与える点に光を当てた上で、すべての人を差別と暴力から守る国際法上の第一義的な義務は国家にあることに注意を喚起し、政府、議会、司法、国内人権機関による緊急の対応を求めています。声明は国々に対し、1)暴力行為に関する調査・訴追・救済、暴力防止に向けた取り組みの強化などを通じたLGBTIの人々の暴力、拷問、不当処遇からの保護、2)合意に基づく同性成人間の性的行為やトランスジェンダーの人々による自らの性別意識に基づく表現を犯罪視する法などの見直し、廃止などを通じた国際人権基準の尊重、3)教育や雇用における差別の禁止など、非差別関連国際人権基準の擁護を求めています。そして、加盟国その他の利害関係者による声明に列挙された課題に対する取り組みを支援する用意があると呼びかけています。

 声明の指すところのLGBTIの人々には、他の名称で自認する者を含み、実際のまたは周囲から認識されている性的指向、自らの性別意識、性的特徴を理由として暴力や差別に直面しているその他の人々も含まれるものと解することとされています。

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 以上は9月29日付英文共同声明の抄訳です。