第324回ILO理事会

第324回ILO理事会:嘉治美佐子大使を新議長に選出

記者発表 | 2015/06/13
理事会の議長を務める嘉治大使(正面左から3人目)

 第104回ILO総会直後の6月13日にジュネーブで開かれた第324回ILO理事会は、2015~16年の議長として、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の次席常駐代表を務める嘉治美佐子大使を選出しました。外務省で長くキャリアを積んだ嘉治大使は、欧州連合日本政府代表部、国際連合日本政府代表部、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)など豊富な海外勤務経験を有しています。使用者側副議長には、デンマーク使用者連盟のヤアアン・ラネスト国際部長、労働者側副議長には、ベルギーのリュック・コルトベック・キリスト教労組連盟名誉会長がそれぞれ再任されました。両副議長はそれぞれのグループのスポークスマンも務めます。

 理事会は結社の自由委員会の報告書に加え、結社の自由及び団結権保護条約(第87号)を遵守していないとして、憲章に基づく苦情が申し立てられているフィジーグアテマラの案件も検討しました。2013年の第103回ILO総会の複数国の労働者代表から政府による反組合的嫌がらせ行為や組合活動に対する干渉などの問題が申し立てられているフィジーに関しては、2015年3月の第323回理事会会期中に雇用関係諮問委員会を通じた労働法の点検などについて政労使の合意が達成されています。今理事会にはその実施報告の提出が求められていましたが、提出されなかったため、ILOの中核的な条約の遵守を確保するよう委員会を通じて労働法の見直しを行うことを改めて政府に求めると共に今年11月に開かれる次期理事会で審査委員会設置の是非を検討することを決定しました。

 労働組合指導者の暗殺を含む深刻な暴力行為についての苦情が2012年の第102回ILO総会の複数国の労働者代表から申し立てられているグアテマラについても11月の次期理事会で審査委員会設置の是非が検討されますが、今理事会にはその判断資料となる2013年10月に採択された行程表の進捗状況が報告されました。理事会は、◇すべての労働組合活動家殺害事件についての捜査、加害者の起訴・有罪判決、◇国内法制を第87号条約に合致させる法制改革、◇労働組合の登録が妨害されないことの確保、◇結社の自由と団体交渉に関する幅広い啓発キャンペーンといった緊急の行動が要請される優先分野を含み、行程表の実行を政府に求めました。

 ILO理事会は任期3年の正理事56名(政府側28名、使用者側14名、労働者側14名)及び副理事66名(政府側28名、使用者側19名、労働者側19名)で構成されています。日本からは、2014~17年の使用者側正理事として日本経済団体連合会(経団連)の松井博志国際協力本部参事、労働者側正理事として日本労働組合総連合会(連合)の桜田高明国際顧問が選出されています。日本政府は、ブラジル、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、ロシア、英国、米国と共に、十大産業国として常任理事となっています。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。