南南協力:ブラジル

ILOとブラジルがアフリカ・中南米の綿花生産国におけるディーセント・ワークの促進に向けて協力

記者発表 | 2015/05/04
プロジェクト文書に署名した、ILOブラジル国別事務所のスタンレイ・ガセック所長代行、フェルナンド・ジョゼ・マホニ・デ・アブレウABC長官、アロウド・ホドリゲス・ダ・クニャIBA執行会長(写真左より)

 ILOとブラジルは2005年から南南協力の促進に向けたパートナーシップ計画を実施していますが、この一環として、ブラジル綿花協会(IBA)と共に、アフリカ及び中南米の綿花生産国におけるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進に向けた南南協力プロジェクトを新たに開始します。

 ブラジル政府を代表してブラジル協力庁(ABC)、そしてILO、IBAの間で4月30日に正式な文書が取り交わされたこのプロジェクトは、児童労働・強制労働の撲滅、生産的な包摂、若者の雇用促進において成功を収めている綿花生産部門におけるブラジルの経験の体系化、共有、適用を通じて、中南米、アフリカ各2カ国の綿花生産途上国におけるディーセント・ワークの促進に寄与することを目指すものです。ILOはブラジル政府と合同の企画調査団を派遣した上で、受益国を巻き込んで作業計画を策定し、それに沿って実行される3者間南南技術協力活動の実施、モニタリングを行います。

 ILOブラジル国別事務所の所長代行を務めるスタンレイ・ガセック次長は、南南協力は南側諸国間の連帯の概念を基礎としていることを説明した上で、メーデーの前日に締結されたこの新しい協定は、「綿花生産部門におけるブラジルの複数の成功体験を連結する道を敷設するもの」とし、「この先駆的なイニシアチブは必ずやアフリカ・中南米地域に大きな影響を与えるものとなろう」と期待を表明しました。また、この取り組みは、2013年にブラジリアで開かれた第3回児童労働世界会議の際に中南米・カリブ25カ国が参加して立ち上げられた「児童労働のない中南米・カリブ地域イニシアチブ」に寄与するものであることも明らかにしました。ILOが技術上の事務局を務めるこのイニシアチブは2020年までにこの地域から児童労働を完全に撲滅する目標の達成に向けて児童労働に対する取り組みを加速させることを目指しています。

 ILOブラジル国別事務所は、今回の協定締結に先立ち、南南協力の促進に向けたブラジルとのパートナーシップ計画の経験を説明・分析し、その成果と展望を記した調査研究の成果物を発表しています。

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 以上はブラジリア発英文記者発表の抄訳です。