南南協力

2014年南南開発グローバル・エクスポでILOは南南協力による革新的な開発問題解決策を発表

記者発表 | 2014/11/12

 南南協力を世界中で促進する国連の年次イベントである南南開発グローバル・エクスポが今年は11月17~21日にワシントンで開かれます。ILOは11月19日に解決策フォーラムを開いて世界的な開発課題に対する革新的かつ実効性のある伸縮自在な解決策を紹介します。フォーラムでは南側諸国の政府及び労使団体を代表する6人の発表者から社会的保護の土台(最低限の社会的保護)、児童労働、社会的経済・連帯経済、脆弱諸国に係わる解決策について発表を行ってもらいます。

 脆弱国の集まりであるg7+グループ事務局のエルデル・ダ・コスタ事務局長の発表は、今年3月にILOと締結した協力覚書及びg7+が掲げる「脆弱国における関与のためのニューディール」の枠内での脆弱国同士の協力に光を当てたものとなります。ギニア労働者全国総連合のラビアトゥ・セラ・ディアロ名誉会長もギニアにおける民主的な価値の定着と促進において重要な役割を演じたギニア国家移行評議会議長としての自らの経験を披露します。

 今年のエクスポでも南南協力と連帯・社会的経済とのつながりが大きなトピックとなっています。アジア連帯経済評議会のベンジャミン・キニョネス議長はこのテーマをアジアの観点から取り上げ、ILO社会的金融計画のヨセフ・アセファ・インパクト保険ファシリティー・プロジェクト調整官はアフリカの最善事例を紹介します。

 ブラジル社会開発省のパウラ・モンタグネル副次官は2013年10月にブラジリアで開かれた第3回児童労働世界会議をフォローアップするものとして展開されている児童労働撤廃活動について発表します。エクアドル労働関係省のマリア・デル・カルメン・ベラスコ児童労働撲滅プロジェクト・マネジャーも児童労働撤廃に向けた使用者ネットワークという同国の官民協力事業を紹介します。この事業はコスタリカやコロンビアなど域内の他の諸国にも広がっています。中南米・カリブ諸国の大臣らは今年10月にリマで開かれた第18回ILO米州地域会議の場で改めて米州大陸から児童労働をなくす公約を行っています。

 今年のILOのフォーラムでは、国連南南協力局との共同刊行物である『Global South-South Development Expos: Decent work solutions (2010-2013)(南南開発グローバル・エクスポにおけるディーセント・ワーク解決策(2010~2013年)・英語)』と題する新刊書の発表も行われます。同書はすべての人にディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が確保されるよう過去のエクスポで発表された開発課題解決策をまとめたものとなっています。

 ユルゲン・シュベットマンILOパートナーシップ・現地支援局長は、今年のエクスポが過去に披露された解決策を基礎として国際的に合意された開発目標の達成に向けてそのスケールアップを目指すことによって2015年以降の開発課題に寄与するものになっていることを指摘しています。

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 以上はパートナーシップ・現地支援局によるジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。

 2014年南南開発グローバル・エクスポとILOの関わりについてまとめたポータルサイトでは、フォーラムの写真や個々の発表概要、上記新刊書本体に加え、ダ・コスタg7+グループ事務局長のインタビュー動画(英語)やディアロ・ギニア労働者全国総連合名誉会長インタビュー音声ファイル(仏語)なども入手できます。また、ILOで実施されている南南・三角協力の事例を写真で示すスライドショーも作成されています。南南・国連事項を担当するアニタ・アモリンILO上級渉外専門官もILOのブログ「Work in progress(進行中の仕事)」に「中南米における児童労働撤廃に道を開く南南協力」と題して11月19日付で投稿し、エクスポでILOが開催している解決策フォーラムやILOと南南協力の関わり、2013年の第3回児童労働世界会議で中南米・カリブ諸国が南南・三角協力を通じて一緒に行動することの重要性を認め、2020年までに地域から児童労働を撤廃するために協力し合っていることを紹介し、これはILOが能力開発の効果的な手段及び水平な知識共有の場として加盟国政労使の経験と知識に頼る一つの方法であると説いています。