世界経済

より良い仕事とより高い賃金が低成長の悪循環を反転させる可能性を仏大統領との会合で説くライダーILO事務局長

記者発表 | 2014/10/17
オランド仏大統領の演説を聴くライダーILO事務局長ら国際機関トップ

 10月17日に経済協力開発機構(OECD)が主催してパリのOECD本部において、アンヘル・グリアOECD事務総長、ガイ・ライダーILO事務局長、国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事、世界銀行のジム・ヨン・キム総裁、世界貿易機関(WTO)のロベルト・アゼベド事務局長の5国際機関トップが、フランソワ・オランド仏大統領と会合し、世界経済が直面している課題について話し合う機会が設けられました。

 ライダー事務局長は、経済危機からの回復の弱さが低成長の悪循環に至る危険性が存在し、これは世界的に雇用にとって悲惨な意味を持つ可能性があることに注意を喚起しました。そして、労働需要が弱く、採用速度は世界の労働力の伸びに追いついていないだけでなく、「多くの途上国で見られる何らかの雇用成長は多くがインフォーマルで生存水準ギリギリの性格のものであり、先進国で創出されている仕事は大半が何らかの点で不安定で低賃金の場合が多い」として、創出されている仕事の質もしばしば望ましいものとはほど遠いことを指摘しました。さらに、基盤構造に対する公共投資を刺激しようとのIMFや世界銀行グループの取り組みをILOも支援していることを紹介しつつ、これが民間投資と成長につながるには、「とりわけ最も賃金が低い層における賃金上昇と社会的保護制度の弱体化ではなく補強が必要」と訴えました。

* * *

 以上はパリ発英文記者発表の抄訳です。