海上の労働に関する条約

2006年の海上の労働に関する条約発効1周年:幅広い批准と効果的な実行の達成に向けた動きの急速な拡大

記者発表 | 2014/08/20

 2012年8月20日にフィリピンが批准書を寄託したことによって、「2006年の海上の労働に関する条約」の発効要件(合計船腹量が総トン数で世界全体の船腹量の33%以上を占める30カ国以上の批准)が整い、同条約は1年後の2013年8月20日に発効しました。当時の批准国は日本(2013年8月5日批准)を含む45カ国で合計船腹量は全体の7割超でしたが、1年後の今日、批准国数は64カ国に増え、批准国の合計船腹量は世界合計の8割を超えています。

 海上の労働に関する条約は就業の最低年齢、雇用条件、労働・休息時間、居住設備、レクリエーション用の設備、食料及び料理の提供、健康保護、医療、福祉及び社会保障による保護などといった船員の労働・生活条件のほとんどあらゆる側面にわたって包括的に最低限の基準を定めると同時に世界中の船舶所有者に平等な活動の地歩を与えることを目指しています。条約発効1周年を記念して制作された広報動画は、船上の一日を追って船員の労働事情を示しながら、条約の採択・発効後に生じた変化や条約に期待する船員の声を紹介しています。

広報動画:海上における一日の生活(英語)

 条約発効1周年を記念して出されたニュース記事の中で、ガイ・ライダーILO事務局長は、この条約が海上に利害を有するすべてのILO加盟国に批准されることへの期待を述べています。クレオパトラ・ドゥンビア=ヘンリーILO国際労働基準局長は、「この条約を求めた船員や船舶所有者の理想と理念が目下試されている」として、発効1周年を迎えて条約が新たな段階に入ったことを指摘しています。条約発効以来、批准国は自国籍船を検査して証明書を出し、寄港船舶の監督(ポートステートコントロール)を通じて条約規定に沿っていない外国船舶の抑留を行うこともできるようになっています。個々の船舶における船上の状況の実際の変化や問題があって抑留された船舶の数は旗国やポートステートコントロール地域事務局のデータベースで管理されており、今のところILOには非公式の情報しか届いていませんが、ILOでも間もなく、批准国からの条約実施状況に関する定期報告という通常の適用監視の仕組みを通じて条約の実施と遵守に一役買うことになります。

 条約の規定に沿って設置された海上の労働に関する条約の特別三者委員会は、今年4月に第1回会合を開き、船員の遺棄と船員の死亡または長期障害発生時に船員とその家族に対して負う船舶所有者の補償責任の問題に関して条約規範の改正を決定しました。この改正は今年6月に開かれた総会で承認され、順調にいけば2017年1月18日に発効することが期待されています。

海上労働の分野ではまた、今年後半に海上の労働安全衛生規定、来年初めには船員の身分証明書と、重要な事項に関する国際会議の開催が予定されています。

 

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 以上は国際労働基準局によるジュネーブ発英文ニュース記事の抄訳です。