ILOと信仰団体

貧困から抜け出す最善の道はディーセント・ワーク:世界のカトリック系団体が再確認

記者発表 | 2014/05/09

 バチカンの正義と平和協議会(PCJP)と共催して去る4月29~30日にILOがバチカンで開いたセミナーには、国際カトリック移住協議会(ICMC)などのカトリック系国際団体の代表を含み、世界22カ国から47人の出席者があり、貧困から抜け出すための最善の方法としてディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に向けた取り組みを継続する意思が再確認され、そのための行程表が採択されました。今年3月に行った演説で、人類家族は今、「もはや仕事を創出できないような経済体系」の結果と共に暮らしていると語ったフランシスコ教皇の見解を受けて開かれたセミナーでは、「尊厳ある形態の仕事を遂行できる可能性をすべての人に確保するような、正義と連帯を基礎とした各種の取り組み」の推進を様々な政治、社会、経済主体に呼びかける教皇の訴えに、調整を図った形で対応する必要性に関し、真剣な議論が展開され、2015年以降の国連の開発課題と持続可能な開発目標の頂点にディーセント・ワークを据えるための効果的な唱道活動戦略の立案が図られました。

 採択された「カトリック系団体によるディーセント・ワークに向けた地球規模の公約を前進させるための道」と題する行程表は、「自由で創造的かつ参加型で相互に支え合う仕事を通じてこそ、人類は自らの暮らしの尊厳を高め、表現できる」とするフランシスコ教皇の言葉を引用した上で、支援的な条件と経済政策を含む新たな国際開発目標集合の策定及び実行を通じてディーセント・ワークの機会がすべての人に保障されるべきことを主張しています。そして、「すべての人へのディーセント・ワーク」を2015年以降の持続可能な開発目標の明確なゴールとするためにILOその他の関係者と密接に協力して、ディーセント・ワークの促進に共に努めることを約しています。

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 以上はパートナーシップ・現地業務支援局によるバチカン市発英文記者発表の抄訳です。信仰を基盤とした団体とILOの関わりについては、同局の関連ページをご覧下さい。