第103回ILO総会

成長を回復し、より包摂的な社会を促進するために決定的に重要なのは良質の雇用

記者発表 | 2014/06/12

 2008年の総会で採択された「公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言」のフォローアップ活動として、雇用に関する包括的な討議を行った第103回ILO総会は、地球規模でも各国レベルでも包括的な政策枠組みと先行対策的で雇用を中心に据えた包摂的な成長戦略が必要との結論に達しました。また、現在国連で検討が進められている2015年以降の世界の開発課題の明確な目標としてディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進していくことでも合意が得られました。

 世界全体で2億200万人と推定される現在の失業者と今後10年で4億人と予想される新規労働力を吸収するためには、10年間で約6億人分の良質の雇用を創出する必要があります。2008年のILO宣言に基づき、総会は2010年から、ディーセント・ワークをすべての人に達成するという課題を構成する柱である四つの戦略目標(雇用、社会的保護、社会対話、労働における基本的な権利・原則)について、一つずつ順番に、「各戦略目標に係る、加盟国の多様な現状及びニーズをより良く理解し、基準関連活動、技術協力、及び事務局の技術的機能や調査機能など、用いることのできるすべての手段をもって、より効果的に加盟国の現状及びニーズに応え、また、優先事項及び活動計画をそれらに適合させること」を目的として繰り返し討議する反復討議の仕組みを開始しています。

 2010年に続いて今回2回目となる雇用に関する討議の結論は、整合性のあるマクロ経済政策、労働市場政策、社会政策の組み合わせで構成される包括的な政策枠組みには、自由に選択された生産的な完全雇用、すなわちディーセント・ワークを各国が促進する手引きを提供できる可能性があると記しています。結論文書には雇用促進的なマクロ経済政策、貿易・産業・租税・基盤構造・部門別政策、教育・技能育成政策、労働市場政策など、この包括的な枠組みを構成し得る15の政策要素と指導原則が示されています。

 総会でこの議題を審議した委員会の委員長を務めたマリン・ビッセル・オランダ政府代表は、この結論は「ILO加盟国政労使の公約を発信し、将来に向けた戦略的な手引き」をILOに与えているとして、委員会が期待以上の仕事を成し遂げたことを評価しています。労働者側副委員長を務めたヘレン・ケリー・ニュージーランド労働者代表も、包括的で相互に補強し合う政策集合を用いた国が雇用と不平等の課題に取り組む上で大きな成功を達成したことを指摘して、「政策、活動、三者構成原則、社会対話を反映し、今後のILOの活動の基礎を構築するであろう」結論が総会で採択されたことを歓迎しました。使用者側副委員長を務めたアルベルト・エチャバリア・サルダリアガ・コロンビア使用者代表は、「持続可能な企業を育む政策」を包括的な政策枠組みの一部にする必要性を唱え、「マクロ経済・ミクロ経済の両面にわたる雇用政策に焦点を当てた一連の手立て」をILOが配備すべきことを提案しています。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。