第103回ILO総会

仕事の世界サミット:ディーセント・ワークを通じた経済発展

記者発表 | 2014/06/09

 12日までの日程で現在ジュネーブで開催されている第103回ILO総会の一環として6月9日に開かれた「仕事の世界サミット」では、ルクセンブルク、メキシコ、フィリピン、チュニジアの労働担当大臣に加え、労使代表なども参加して開発を推進する上での仕事の役割について討議が展開されました。

『仕事の世界報告書』の概要を紹介するライダーILO事務局長(英語)
 

 ガイ・ライダーILO事務局長は、サミットがテーマに掲げる「仕事を伴った発展」を副題に掲げる、5月に発表されたILOの年次刊行物『World of work report(仕事の世界報告書・英語)』2014年版が、2000年代初めから良質の仕事に重点的に投資した国々が2007年以降、他の途上国・新興経済諸国より毎年1ポイント近く高い経済成長を達成したことや社会的保護が貧困削減及び脆弱な就業形態の削減を助ける強い証拠を示していることを紹介し、まず仕事に量と質の両面から焦点を当てる必要性を強調しました。基調講演を行ったインドのジャワハルラール・ネルー大学のデーパク・ナイヤール経済学教授は、「成長は仕事を創出し、仕事は成長を推進できる」と説いて、安定したマクロ経済にとっての雇用創出の重要性を強調しました。

基調講演を行うナイヤール教授(英語)
 

 「仕事を伴った発展:2014年の仕事の世界」と題するパネル討議において、フィリピンのロサリンダ・ディマピリス=バルドス労働・雇用大臣は、フィリピン政府の現在の政策課題が雇用創出と貧困削減を通じた包摂的な成長であることを紹介しました。チュニジアのアフメド・アンマル・ユンバイ社会問題大臣は、中東で特に広く見られる若者の失業問題を取り上げ、社会の様々な構成員間の社会対話を確立することをこの問題に取り組む最良の方法に挙げました。メキシコのアルフォンソ・ナバレッテ・プリダ労働・社会保障大臣は、『仕事の世界報告書』で中心的なテーマとして取り上げられている仕事のフォーマル化と移住問題について考察し、メキシコでは経済成長よりも速いスピードで経済のフォーマル化が進んでいることや世界で一番移民の往来が激しいとされる米墨間で2008年以降、米国から戻るメキシコ人の数が出国者を上回っている事実を紹介しました。ルクセンブルクのニコラ・シュミット労働・雇用・社会的連帯経済大臣も移住問題に重点を置いて発言し、人口の4割を移民が占めるルクセンブルクにおいて人の流入のおかげで着実かつ力強い経済成長が達成できたことを紹介し、合理的かつ実利的な経済政策への取り組みを説き、そのカギとなるのが仕事であると唱えました。

 使用者の代表として参加したトルコのサンタ・ファルマ・ファーマスーティカル社のエロル・キレセピ最高経営責任者(CEO)は、「持続可能な仕事のカギを握るのは持続可能な企業」として、社員だけでなく企業にも利益をもたらす政策を追求する必要性を論じました。国際労働組合総連合(ITUC)のシャラン・バロウ書記長は、「成長だけでは失敗」として、成長の推進要素である仕事の重要性に注意を喚起して国内経済政策の中心に良質の仕事を据えるよう各国政府に呼びかけました。

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詳しくはサミットのウェブサイト(英語)へ---->