アフリカ

ワガドゥグ+10サミットを前に仕事への注力を呼びかけるILO

記者発表 | 2014/06/06

 アフリカ連合(AU)は2014年9月にブルキナファソの首都ワガドゥグで雇用、貧困撲滅、包摂的な開発に関する特別サミットを開催して10年前の2004年に開かれたサミットで採択された雇用と貧困緩和に関する宣言及び行動計画の実行における進捗状況と課題を検討し、アフリカが2014年からの10年間の具体的な行程表に移行する助けになるような新たな公約と貢献に向けて政府、使用者、労働者、そして地域及び国際的な利害関係者の活動を起こさせることを目指します。この「ワガドゥグ+10」と銘打ったサミットについての説明会がアフリカ諸国の政労使、開発パートナーなど500人以上の出席を得て、現在ジュネーブで開かれている第103回ILO総会のサイドイベントとして6月5日に開かれました。

 この10年、相当の経済成長を示しているアフリカ大陸ですが、この成長は雇用創出や貧困削減に結びついていません。依然としてアフリカの大部分の若年労働者がインフォーマル就業と脆弱な就業形態の現実に直面しており、働く貧困層(ワーキング・プア)は地域全体で2億1,400万人に上ると見られます。このような現実の下で開催されるワガドゥグ+10は「ILOにとっても優先事項」と語るガイ・ライダーILO事務局長は、ILOの役割として、「アフリカ連合と協力してアフリカ諸国を支援すること」、そして「加盟国政労使の動員を強く図ること」を挙げた上で、「ワガドゥグ+10のプロセスの実行における説明責任と実効的なフォローアップに努力を傾けつつ、持続的でより良く共有された経済成長を確保すること」を地域にとっての多面的な課題と指摘して、毎年1,800万人分以上の新規雇用の創出が求められるアフリカにおいて雇用創出に強く注力することを呼びかけました。アフリカ連合のムスタファ・カロコ社会委員はAU諸国及び開発パートナーに対して考え方と行動の転換を求め、ILOその他のパートナー機関に対してワガドゥグ2014年行動計画及びアフリカの経済転換課題の実行においてもっと積極的な役割を演じてくれるよう要請しました。

ワガドゥグ+10説明会模様(英語)
 

 9月6~7日に開かれる特別サミットに先立ち、4日には外務、労働、財務、青少年の各閣僚会合、3日には常駐代表委員会及び大使会合、そして1~2日には「持続可能な開発と2015年以降の開発課題に関するアフリカの共通の立場についての社会的パートナーの視点」と題する労使フォーラムが開かれます。特別サミットでは力強いパートナーシップを伴い期限を定めた具体的な成果主義の行動の採択も目指し、2004年の宣言及び行動計画の包括的な検討に加え、持続可能な開発のための雇用、貧困撲滅、包摂的な成長に関する新たな政策と事業計画の採択も予定されています。2014年の行動計画は今後10年間の労働、雇用、社会的保護分野の新たな政策枠組みを提案しています。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。