第103回ILO総会

第103回ILO総会:議長にフネス・デ・リオハIOE会長、労働側副議長に桜田・連合国際顧問

記者発表 | 2014/05/28
フネス・デ・リオハ総会議長の就任演説模様(西英仏語)

 ジュネーブで5月28日に開幕した第103回ILO総会は、議長として、5月27日に国際使用者連盟(IOE)会長に就任したばかりのアルゼンチンのダニエル・フネス・デ・リオハ使用者代表、副議長として、在ジュネーブ・ギリシャ政府常駐代表部のアレクサンドロス・アレクサンドリス大使(政府側)、日本労働組合総連合会(連合)の桜田高明国際顧問(労働者側)、ケニア使用者連盟(FKE)のジャックリーヌ・ムゴ事務局長(使用者側)を選出しました。

第103回ILO総会役員
第103回ILO総会役員:(右から)
桜田労働者側副議長、フネス・デ・リオハ議長、ムゴ使用者側副議長、アレクサンドリス政府側副議長

 1919年に始まる総会史上でも使用者代表が議長に選出されるのは今回でやっと3回目です。1976年から総会に出席し、2001年からILO理事会の使用者側副議長も務めるといった長期にわたる重要な貢献を反映するものとして今回選出されたフネス・デ・リオハIOE会長は、議長就任に当たり、「我々は変化の時代に生きている」としつつ、「これは我々の価値を脇に置くことを意味するのではなく、新たな状況に適応させることを意味する」と語りました。

 2011年3月からILO理事を務める桜田国際顧問は、2010年の第99回総会における中嶋滋ILO理事(当時)に続き、日本の労働者側から5人目の総会副議長に選出されました。副議長就任に当たり、桜田理事は、この栄誉に応え、精一杯職責を果たしていく所存を述べました。また、ガイ・ライダーILO事務局長が今年で70周年を迎えるフィラデルフィア宣言の精神の再確認を呼びかけていることに触れ、二度の大戦の痛みと反省に立ったこの宣言の精神を絶対に風化させるべきでないと説いています。さらに、今次総会の事務局長報告のテーマである移民労働や議題に含まれるインフォーマル経済について、国内の三者によるしっかりとした議論を行うきっかけとなることへの期待を表明しています(桜田労働者側副議長コメント全文)。

 第103回ILO総会には、日本を含む185のILO加盟国から政労使代表・顧問など約4,000人の参加が見込まれます。年1回ジュネーブで開かれ、労働問題に関する世界の議会とも呼ばれる総会は、ILOの幅広い政策事項を決定し、国際労働基準の設定・採択、重要な社会・労働問題の議論、ILOの予算の採択、理事選挙などを行います。6月12日まで開かれる今年の総会では、労働力移動や雇用戦略、インフォーマル性から抜け出す方法や強制労働に関する第29号条約を強化する方法など幅広い事項が審議されます。

 総会の討議資料、討議議事録、記者発表など関連資料は第103回ILO総会のウェブサイトでご覧になれます。本会議討議模様の動画や音声ファイルも提供されています。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳に日本関連事項を追加した記事です。