海上の労働に関する条約

海上の労働に関する条約の特別三者委員会第1回会合開催:船員の遺棄と船舶所有者の責任の問題に取り組むILOと海事部門

記者発表 | 2014/04/04

 2013年8月20日に発効した「2006年の海上の労働に関する条約」には、改正事項を含み、同条約の運用を継続的に検討する特別三者委員会の設置が規定されていますが、この第1回の会合が来る4月7~11日にジュネーブのILO本部で開催されます。日本を含む現在56カ国の批准国政府並びに船員及び船舶所有者の代表300人以上の出席が予定されるこの委員会会合では、船員の遺棄と船員の死亡または長期的な障害発生時における補償請求の迅速処理の問題が取り上げられます。条約の実施において各国が直面した問題に関する意見交換も幅広く行われる予定です。

 ILOの船員の遺棄データベースには、2014年3月現在、159件の遺棄事件が記録されていますが、2006年に発生していまだに解決に至っていないものもあります。船舶所有者の破産などで航海中に遺棄された船員の多くが賃金の支払いを受けられず、定期的な食糧供給も医療も帰国の手段も得られずに、しばしば数カ月にわたって遺棄された船上で過ごすことを余儀なくされています。委員会では、外国の港に遺棄された船員のより良い保護に向けた金銭的な保証に関する規定の追加、そして職業上の負傷、疾病、危険を原因とする船員の長期障害または死亡時の補償のための船舶所有者による金銭上の保証の提供に関する現在の規定をより詳細なものとすることを目指して、船舶所有者と船員の国際的な代表から共同で提出された関連規範(第2.5規則及び第4.2規則)の改正提案が検討されます。改正が採択され、その他の発効要件が整えば、遺棄された船員の問題が初めて国際法に規定されることになります。

船舶所有者の破産により、マルタ沖で1年以上にわたって立ち往生しているB・レディーバグ号の船員たち(英語)

 会合初日の7日にはまた、国際船員福利厚生支援ネットワーク(ISWAN)による2014年国際船員福利厚生賞の受賞者発表と授賞式も行われます。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。