ILOヘルプデスク 労働安全衛生に関するQ&A

質問

  1. 我々は現在当社のための労働安全衛生運営システムを構築しています。留意が必要な要素や手続としてどのようなものがあるのでしょうか?
  2. 安全マスクの着用を困難にするあごひげ、安全ヘルメットの装着を妨げる頭部のかぶりものなど個人保護具の装着を妨げる宗教上の信条についても会社は容認しなければならないのですか?
  3. 個人保護具の装着をしなかったことを理由にして警告を発することなく直ちに当該労働者を解雇することはできますか?
  4. 個人保護具を労働者に自費で購入させることは許されますか?
  5. 盗難防止のため、夜間に労働者を構内に閉じ込めることは許されますか?
  6. ILOとしては、労働安全衛生システムの鍵となる要素は何であると考えますか?
  7. 労働者が発がん物質にさらされることを防ぐためのILOの指針として何かありますか?
  8. ウラン鉱山に関する国際的な核燃料サプライヤーのために労働条件を設定する場合、どの国際労働基準が参照されるべきでしょうか?
  9. 高層ビルの建設現場では安全管理監督者は何名必要ですか?
  10. 船舶の乗組員に対し定期的なインターネット接続を供与する必要性について記した国際的な法律文書はありますか?

Q1 我々は現在当社のための労働安全衛生運営システムを構築しています。留意が必要な要素や手続としてどのようなものがあるのでしょうか?

A1 職場における安全と健康は労使が分かち合うべき責任です。労働者が関連するリスクや個人保護具の使用を含めた安全対策手段を理解できるよう、使用者は労働者に対して安全に関する情報の提供や研修を行うべきです。翻って労働者は個人保護具の使用を含め安全対策を実践すべきです。経営陣と労働者が共に予防の原則を最大の優先事項とすべきです。

 

ILOは以下の事項を効果的な労働安全衛生システムの要素として提唱しています。

(1) 労働者やその代表と協議の上、会社の労働安全衛生施策を書面化する。

この施策は以下の要件を充たす必要があります。

 

  • 当該企業組織、規模及びその活動に合ったものであること
  • 簡潔明瞭に書かれており、使用者又は当該企業組織の最高責任者の日付け入りの署名等があること
  • 各職場のあらゆる人がアクセス可能であること
  • 引き続き持続可能となるように見直しが加えられること
  • 外部の関係者においても入手できるようにすること

   

(2) 労働安全衛生施策は最低でも以下の企業が関与すべき鍵となる原則や対象事項を含むべきです。

  • 労働災害を予防することによって当該企業のすべての構成員の安全と健康を守ること
  • 労働安全衛生に関する当該国の法制や規制、任意の計画、団体協約及びその他当該企業が同意した条件に従うこと
  • 労働者及びその代表者と協議し、これらの者が労働安全衛生運営システムの全ての要素に積極的に関与できるよう保障すること
  • 労働安全衛生運営システムの運用を常に改善していくこと

   

(3) 効果的な労働安全衛生運営システムにとって労働者の参加は不可欠な要素です。

 

Q2 安全マスクの着用を困難にするあごひげ、安全ヘルメットの装着を妨げる頭部のかぶりものなど個人保護具の装着を妨げる宗教上の信条についても会社は容認しなければならないのですか?

A2 事業場において信仰・信条を全うする労働者の権利は真の労働安全上の要請よりも重きを置かれる必要があります。企業は特定の宗教上の慣習を容認するよう合理的な努力をすることが要請されます。

 

Q3 個人保護具の装着をしなかったことを理由にして警告を発することなく直ちに当該労働者を解雇することはできますか?

A3 第166号「使用者の発意による雇用の終了に関する勧告」7項(参照)によりできません。 

 

Q4 個人保護具を労働者に自費で購入させることは許されますか?

A4 安全文化を徹底するためにも、そのような装備が必要な場合は無料で会社から支給されるべきです(第155号「職業上の安全及び健康並びに作業環境に関する条約」16条(2)及び21条 参照)。

 

Q5 盗難防止のため、夜間に労働者を構内に閉じ込めることは許されますか?

A5 強制労働A4の回答を参照してください。

 

Q6 ILOとしては、労働安全衛生システムの鍵となる要素は何であると考えますか?

A6 企業内における予防文化の徹底です。安全かつ健康的に働くことが可能な職場環境が尊重され、使用者及び労働者が共にそのような環境が確保できるよう積極的に関与していくことが大切であると考えています。

 

Q7 労働者が発がん物質にさらされることを防ぐためのILOの指針として何かありますか?

A7 化学物質に関する特別の対策として、その物質が何であるか分かるように仕事で使用されるすべての化学物質に標章を付すこととされています(第170号「職場における化学物質の使用の安全に関する条約」7条(1) 参照)。有害な化学物質については、それらの物質の分類、それらの物質の有する有害性及び遵守されるべき安全上の予防措置を労働者が容易に理解できるように、ラベルが貼られるべきです(同条約7条(2))。化学物質の情報資料も労働者及びその代表者が利用できるよう確保しておく必要があります(同条約10条(1))。

 

その他にも化学物質を浴びた量の計測や健康管理など、様々な規制があります。

 

Q8 ウラン鉱山に関する国際的な核燃料サプライヤーのために労働条件を設定する場合、どの国際労働基準が参照されるべきでしょうか?

A8 BSSInternational Basic Safety Standards for Protection against Ionizing Radiation and for the Safety of Radiation Sources )という指針が有用です。

 

Q9 高層ビルの建設現場では安全管理監督者は何名必要ですか?

A9 安全かつ健康的な状況下で労働できるに足りる監督を行う必要があります。その中で、人数は単なる一要素にすぎないため、明確な数の指定はありません。

 

Q10 船舶の乗組員に対し定期的なインターネット接続を供与する必要性について記した国際的な法律文書はありますか?

A10 海上労働に関する条約の指針B.3.1.11の中に、船員の電子メール及びインターネット接続について配慮するよう規定した条項があります。

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